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「デザインって何だろう?」 小さなハテナから ひろがる世界を覗いてみよう

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素朴なギモンから「デザイン」を 知って、感じて、近づくための実験室

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今回のテーマ

アイデアのハテナ

ヤクルトのくぼみは、なぜ生まれた?

2024.09.26

みんなが知っている“あのデザイン”の背景にある、?(ハテナ)を解き明かします。今回は、乳製品乳酸菌飲料の「ヤクルト」のデザインについて。1968年から変わらないあの容器のカタチのはじまりを聞きました。


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*グッドデザイン・ロングライフデザイン賞受賞当時(2008年)の画像です。

ヤクルトは、1935年から九州・福岡市で「代田保護菌研究所」の名のもとに、ヤクルトの製造・販売を開始。当時のヤクルトは、ガラス瓶で販売されていました。

1968年、プラスチック新容器による販売がスタート。今日でもおなじみのヤクルト容器です。小さな子供やお年寄りでも持ちやすく、また少しずつ味わいながら飲むために、独特なくびれのあるデザインとなっています。 今回は、ヤクルト容器をデザインした剣持デザイン研究所さんに、ヤクルトのデザインについて尋ねました。

ヤクルトの容器は、なぜあのカタチに?

もともとガラス瓶であった容器をプラスチック製に変える依頼があった。容量は決められ高さも変えないという条件に加え、ガラス瓶より大きく見せたいという要望があった。

生産ラインは従来のものを使いベルトコンベアーのガイドに合わせて胴体のくぼみを半円状に削るものとした。ライン上で倒れなく減った容量は高さを稼ぐことにつながった。

飲むときに流れを制御でき、ゆっくり口に運ぶこともできる。 これがくぼみをもったヤクルト容器の発想原点であった。

デザインが長く続いている秘訣は?

誰がデザインしたかわからないけどとても機能的で広く生活の中に溶け込んでいる牛乳瓶、このような「飽きのこない」デザインを目指した。

結果広くヤクルト容器のイメージが浸透して定着していった。「誰が見てもヤクルト容器」という社会認識を大事に生産者側も育ててきたことが、今日まで存続できている力かと考えます。

「形がヤクルトを表している」からこそデザインの息が長く続いているのでしょう。

ご協力・出典:剣持デザイン研究所 https://kenmochi-design.jp/ Yakult History ~「ヤクルト」発売80年の歴史~ https://www.yakult.co.jp/eighty_anniv/

Journal編集部

編集・執筆

ウェブメディア「.g Good Design Journal」の編集チーム。デザインの新しい可能性を探るため、グッドデザイン賞の運営事務局と、外部メンバーが共同で企画・運営をおこなっている。