今回のテーマ
大学生アンケート
現役大学生が考える「デザイン」にできること
2024.09.05
グッドデザイン賞の審査では、全国各地のデザイン系大学・大学院・専門学校に通う約100名の学生インターンが審査のサポートをしています。今回は「デザインにできることは何か?」という質問を2024年度の学生インターンに投げかけた回答の一部をご紹介します。
時代をつくることができる
デザインにできることは何か?
「デザインは時代をつくることができると思った。例え小さな領域での変化であったとしても、他者に上手く伝わらなかったとしても、とにもかくにもデザインされていく事で、私達のくらしていく社会は変化していると感じた」
「デザイン」という言葉の曖昧さに怠けない
デザインにできることは何か?
「何でもできると考えています。 少し説明させていただくと、デザインという言葉が色んな意味を持つようになった現代では何でもデザインでどうにかできる、みたいな幻想が存在すると思います。それは間違いなく幻想であり私達のようなデザインに取り組む側の人間はその曖昧さに怠けてはいけないとも考えています。 ですが私がデザインを初めて知ったときはこの幻想にこそ魅力を感じてその道に進んだような気もしています。なのでそのデザインが持つ無限の可能性を信じることもデザインを実践する上では必要であると思い、私はデザインにできないことはないと考えるようにしています」
生活をちょっとよくする
デザインにできることは何か?
「人の生活をちょっとよくすること」
平等に知り、考えるための術
デザインにできることは何か?
「機会を産み出すこと。 デザインは言語の壁を超えて通用するコミュニケーションツールであり、人類が平等に知る事ができる術である。 デザインを通して人は考え、後を追ったり、対案を作ったり、改良したりする。 こういった機会はデザインが引き起こし、もたらすものだと考える」
“悪い方向”に向かわせない
デザインにできることは何か?
「日々の小さなノイズに耳を傾け、社会を悪い方向に向かわせないことだと思います。 現在、社会が目まぐるしく変化する中で、小さな歪みは重なり続けています。今後、この歪みを無視し続ければ、気付いたときには手遅れになります。 小さなノイズに耳を傾け、歪みをチューニングすることがデザインの役割だと思います」
発想の連鎖、そして新しさへ
デザインにできることは何か?
「誰かの想像が新たな発想を呼ぶ、大規模な連鎖を生み出せると思います。またそれによって生まれたデザインへのポジティブな印象は、今までデザインとは無関係だと思っていた企業や個人の視野を広げ、全く新しい取り組みをしてみようと勇気づけるようなこともできると信じています」
Journal編集部
編集・執筆
ウェブメディア「.g Good Design Journal」の編集チーム。デザインの新しい可能性を探るため、グッドデザイン賞の運営事務局と、外部メンバーが共同で企画・運営をおこなっている。
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