今回のテーマ
私の選んだ一品 2023
建築家が選んだグッドなデザイン
2024.06.07
グッドデザイン賞の恒例企画「私の選んだ一品」。審査委員一人ひとりが、専門とするデザイン分野から離れ、個人的なお気に入りや注目した受賞デザインを選びます。今回は、2023年度の審査委員である建築家のみなさんが選んだデザインとコメントを紹介します。
中川 エリカさんが選んだ一品は?
飲むミストサプリメント 「IN MIST(インミスト)」
https://www.g-mark.org/gallery/winners/18329中川 エリカさんコメント: 飲むというよりも、吸収するサプリの提案におどろきました。と同時に、なんで今までなかったんだろう?とハッとさせられる説得力を感じました。 時間やシチュエーションを選ばずサプリを取れることが、ひいては、子どもや妊娠中の方がこれまでよりももっと気軽に自分の健康をマネジメントできるように感じられて、とても好感を持ちました。
山梨 知彦さんが選んだ一品は?
グレーチング「プレミアムエキスパンドメタル張りグレーチング」
https://www.g-mark.org/gallery/winners/18018山梨 知彦さんコメント: デザインをしていると、理屈が先行し、モノとしての追求が甘くなる事がある。そんな罠に嵌りそうな時、別の用途のためにデザインされたものを「何か他に使えないか?」と直感で感じてみると良い。これは側溝の蓋のためにデザインされた素材だが、金属なのに柔らかで鈍い質感が気に入って、建築の外装に使いたくなった。
※グレーチングとは 主に鉄などの金属で作られた格子状のふた。道路や歩道の溝蓋(みぞぶた)などに使用されています。
西村 浩さんが選んだ一品は?
木工品 / トレー ゴミ箱 鏡「支障木プロジェクト」
https://www.g-mark.org/gallery/winners/20417西村 浩さんコメント: 都市部においては「落ち葉清掃が大変だから」という理由で、伐採や強剪定される樹木が後を絶ちません。人間の都合だけで、時間をかけて育ってきた樹木をいとも簡単に痛める行為にはいつも反対するのですが、諦めざるを得ないことも多いです。プロダクトを生み出すプロセスには、やむを得ず失ってしまった時間や記憶に対する、精一杯の償いの気持ちが感じられる作品だと思います。
私の選んだ一品について
今回ご紹介した3名以外の「私の選んだ一品 2023」は、こちらよりご覧いただけます。
見たことのない美しいデザインに触れること、仲間と共に新しいデザインを生み出すこと、そしてそれが多くの人に届くことから生まれる感動やよろこびが、暮らしや社会をすこしずつ先に進める原動力になっていることを、今年の一品を通して感じていただけるのではないでしょうか。
Journal編集部
編集・執筆
ウェブメディア「.g Good Design Journal」の編集チーム。デザインの新しい可能性を探るため、グッドデザイン賞の運営事務局と、外部メンバーが共同で企画・運営をおこなっている。