幕張メッセで二次審査会が開催!グッドデザイン・ベスト100が決定
2023.08.10
8月2日から8月4日に、幕張メッセで実施された二次審査会。グッドデザイン賞の二次審査は「現品審査」のため、広大な会場には自動車や遊具など大型の応募対象から、家具、家電、文具などの日用品や、業務用の機器まであらゆるデザインが展示されていた。
二次審査会は、これまでと同様に1チーム4〜5名からなる 「審査ユニット」ごとに審査を行います。今年度は全19ユニット。生活用品から、建築、またシステム・サービスなど幅広いユニットで構成されています。
「体験」ができる審査会場
初日、審査委員長の齋藤 精一さんからは「二次審査はとにかく歩きます。かなり運動になります。身体も頭もフルに使う3日間のなかで、審査委員同士の知見を共有しながら、“デザイン”がこれから向かっていく方向性を見つけていきましょう」と語られた。
その言葉の通り、二次審査は体力勝負。審査委員の多くが幕張に泊まり、朝早くから陽が落ちるまで応募されたデザインを見て、触り、着られるものは身につけ、乗れるものには乗り、通電し動かせるものは動かし、一つずつ体験したうえで、改めて提出された資料を読み、語りつづける3日間を過ごしていました。
また「建築物」や「取り組み・活動」のデザインなど、現品が展示できない応募対象は、代替品として展示されているパネルや資料がじっくりと読み込まれていました。
さまざまな「対話」から深まる理解
二次審査会では、現品審査とともに「ヒアリング審査」も行われます。ヒアリング審査は、審査委員から依頼があった場合のみ行われるもので、応募対象の理解をより深めるために、応募者と質疑応答を行う審査です。
また今年度は、幕張メッセでの二次審査に海外審査委員も参加。同時通訳のスタッフが同行しながら各ユニットのディスカッションにも加わり、より多角的な視点で話し合いが行われました。審査委員だけでなく、海外からの応募対象も数多く展示されていて、グローバルに認知されているアワードであることが感じられました。(グッドデザイン賞のアジアでの認知率はこちら)
応募者と審査委員、また海外審査委員との対話の他にも、全国各地のデザイン系大学・専門学校から集まった学生インターンも議論の場を体験しました。
これらのプロセスを経て、審査委員は、応募対象一つひとつについて、さまざまな視点から評価をし、ディスカッションを重ね、最終的には審査ユニットごとに二次審査結果を決定していきます。
最終日には、グッドデザイン・ベスト100が決定!
最終日には、各審査ユニットのリーダーが集まり、二次審査を通過した応募対象のなかから「グッドデザイン・ベスト100」を決定する審査が行われました。
グッドデザイン賞では、すべての応募対象のなかで、デザインが優れていると認められるものに「グッドデザイン賞」が贈呈され、さらにそのなかから、とくに優れた100件が「グッドデザイン・ベスト100」として選出されます。
その後、グッドデザイン・ベスト100の中から「グッドデザイン金賞」及び「ファイナリスト(大賞候補)」、「グッドフォーカス賞」が選出。 「グッドデザイン大賞」はグッドデザイン大賞候補のなかから審査委員とその年のグッドデザイン賞受賞者、そして一般からの投票によって選出されます。
明日を拓くデザイン、未来を示唆するデザインである「グッドデザイン・ベスト100」は、その年のグッドデザイン賞の方向性を決めるものでもあります。審査では、まずベスト100の候補となった応募対象をそれぞれのユニットリーダーが解説し、その解説を聞いたうえで、投票を行います。
投票結果をもとに審査委員長・副委員長と全ユニットリーダーでディスカッション。それぞれの業界が持つ背景や、特有の課題からの評価点、ユーザーしかわからない細やかな視点などが共有されていました。
何を変えるデザインなのか、グッドデザイン賞が評価することの意義はなんなのか、また「デザイン」としての美しさについても検討を重ね、5時間以上に及ぶ議論の末、「グッドデザイン・ベスト100」が決定しました。
今年度のグッドデザイン賞もいよいよ佳境を迎え、今後はグッドデザイン金賞などの特別賞の審査に進みます。また今回グッドデザイン・ベスト100に選出された応募者は、特別賞審査会の一部として実施される「グッドデザイン・ベスト100プレゼンテーション」に参加します。
次回のレポートでは、ベスト100プレゼンテーションの様子や、特別賞審査会についてお伝えします!お楽しみに。
大橋真紀
編集・執筆
ウェブメディア「.g Good Design Journal」の編集チームのメンバー。外部メンバーとして、コンテンツの企画や編集、執筆を行う。