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グッドデザイン賞の “今”を届ける

グッドデザイン賞の応募に込めた想い、 グッドデザイン賞の審査に込める想い、 さまざまな想いが交差し、連鎖する

「よいデザイン」を探求する プロセスを届ける

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2023年度グッドデザイン賞発表!

2023.10.5

グッドデザイン賞の2023年度受賞結果が10月5日に発表された。今年度は1548件が受賞。そのなかから高い評価を受けた「グッドデザイン・ベスト100」、そして金賞などの各特別賞も発表。今回は、金賞からさらに選ばれたグッドデザイン大賞の候補となるファイナリスト5件について詳しく紹介する。


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受賞記者発表会には多くの記者が集まった。

今年の4月4日に応募が開始され、約5ヶ月の審査を経てついに受賞記者発表会にて、2023年度のグッドデザイン賞受賞結果が発表されました。今回は、審査対象数5447件のなかから1548件のグッドデザイン賞が選ばれました。

すべての受賞結果はこちら: https://www.g-mark.org/gallery/winners?years=2023

18ヶ国、47都道府県から集まった応募

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毎年、国内外から応募が集まるグッドデザイン賞ですが、2023年度のグッドデザイン賞のひとつの特徴として、47都道府県すべてから応募があったことが挙げられます。

委員長・副委員長の総評でも「地域発のプロジェクトや、デザイナー発のプロジェクトが多かったことが印象的であった」と述べられました。地域ごとの視点や、作り手であるデザイナーの視点など身近なイシューに丁寧に向き合い、そこからモノのデザイン・コトのデザインの境界線を超えて、大きなうねりを生み出すデザインの力が感じられる受賞結果となりました。

また、このようなニッチなテーマに向き合ったプロジェクトは、海外の審査委員からも評価が高く、こうした応募が数多く見られることは、世界のデザインアワードとグッドデザイン賞の異なる点としても語られていました。

ファイナリストの紹介

ここからは、今年度のファイナリストに選ばれた5件の受賞対象を紹介します。

電動シェーバー『Panasonic ラムダッシュ パームイン ES-PV6A』 パナソニック株式会社

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社内提案からスタートし、掌サイズを追求した電動シェーバーです。これまでヘッドの自在可動で顔の凹凸に密着させていた部分を、人の手首や指の動きで置き換えられないかとの仮説を立案し、検証を重ねた結果、指先で肌と対話するようなシェービング体験を実現。また、自然由来素材を使用した環境に配慮されたプロダクトであることと、普段使わない人にも心地よいデザインが両立されています。

乗用車『プリウス』 トヨタ自動車株式会社

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「環境車=シリアスで退屈」という概念を一掃するデザインと、走りの性能によってクルマの新たな可能性を提案している新型プリウス。「愛車」をキーワードとして、一目惚れするようなファーストインパクトと普遍的な美しさを表現した、人の感性に響く外形デザインを実現しています。

老人デイサービスセンター『52間の縁側』 有限会社オールフォアワン / 株式会社山﨑健太郎デザインワークショップ

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共生型デイサービスを目指す「52間の縁側」では介助が必要な高齢者と一緒に、様々な事情で家庭や学校に居場所のない子供たちなど地域の住人も、食事やお風呂など共に過ごしています。その代わり共に暮らす住人は、施設のお手伝いをするシステムです。様々な人々が行き交う「まち」のような建築のなかで、みんなが「お互い様」で、自由に安心して暮らしていける地域拠点となっています。

市民科学プロジェクト『NHKシチズンラボ』 日本放送協会

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Webサイトや番組、イベント、SNSなど多角的なコミュニケーションによって、子どもから大人まであらゆる人が、科学に興味を持つきっかけを作り出し、また簡単に研究に参加できることを実現しているプロジェクト。実際に「NHKシチズンラボ」で集めた市民からの投稿データをもとに行なった調査は、学術的に非常に高い価値がある結果として学術誌にも掲載されています。

学校をつくるプロジェクトの集合体『神山まるごと高専』 学校法人神山学園 / 神山町

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ひとつの学校をつくるにあたって、複数のプロジェクトが同時に立ち上がり、それぞれが自律分散型で進行する新しい組織がデザインされています。開校資金には計27億円、学費無償化のためには計105億円の寄付が集まり、奨学金基金として運用する国内初のスキームを実現しています。教育の内容についてもテクノロジー、デザイン、起業家精神を同時に学べる独自カリキュラムをデザインしています。

以上5件の受賞者は、今回の受賞記者発表会に登壇し、それぞれのプロジェクトへの想いを語りました。またファイナリストとなった受賞対象は今後、大賞選出会にて行われる最終のプレゼンテーション審査へと進みます。

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ファイナリストの受賞者、一人ひとりがプロジェクトが始まったきっかけや、これからの展望を語る。
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記者から質疑応答の時間には、それぞれのプロジェクトについて個別の質問が寄せられた。

記者発表会終了後には、ファイナリスト5件の実物や、パネル・模型が展示され、プロダクトを実際に触りながら、デザインのプロセスや、開発のきっかけについて語られました。

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受賞者と記者、また審査委員が受賞対象について懇談する様子。

グッドデザイン大賞を決める投票に参加しよう

グッドデザイン大賞は、その年に受賞したすべての受賞対象のなかで、最も優れたデザインと認められるものに贈られる内閣総理大臣賞です。グッドデザイン大賞の選出方法は、10月25日に行われる最終のプレゼンテーション審査に加えて、オンラインによる一般の投票により選ばれます。

一般投票の期間は10月5日から10月24日まで。グッドデザイン賞ウェブサイトの特設ページより、今回紹介した5つの受賞対象から1点を選び投票することができます。投票は、期間中1人1回限りです。

グッドデザイン賞ウェブサイトの特設ページはこちら: https://reg34.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=qemg-matgka-37e88de7dccada560168b68be0b67a42

10月25日からは受賞展も開催!

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10月25日からはグッドデザイン賞の受賞展「GOOD DESIGN EXHIBITION 2023」が開催されます。本展は、4年ぶりに全受賞対象を東京ミッドタウンに展示。受賞対象のなかでも「グッドデザイン・ベスト100」は、特別コーナーを設けて展示されています。また、長年愛され続けるデザインに贈られる「ロングライフデザイン賞」受賞対象も展示されていますので、ぜひお越しください!

「GOOD DESIGN EXHIBITION 2023」 会期 10月25日(水)~10月29日(日)  時間 11:00~20:00 (10月28日は21:00閉場、10月29日は18:00閉場) 会場 東京ミッドタウン内各所(東京都港区赤坂9丁目) 入場無料・事前予約不要 https://www.g-mark.org/learn/past-awards/gda-2023/gde2023

大橋真紀

編集・執筆

ウェブメディア「.g Good Design Journal」の編集チームのメンバー。外部メンバーとして、コンテンツの企画や編集、執筆を行う。