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グッドデザイン賞で見つける 今、デザインが向き合うべき 課題とは

審査プロセスをとおして 社会におけるこれからのデザインを描く、 グッドデザイン賞の取り組み「フォーカス・イシュー」

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ご挨拶

フォーカス・イシューを知る

デザインに向き合い、デザインから示す

2015.10.16

2015年度のグッドデザイン賞は、永井一史審査委員長と柴田文江審査副委員長を中心とする新しい審査体制のもとで、社会におけるデザインのあり方に対してこれまで以上に目を向けてきました。近年顕著になっているデザインが関わる領域の拡がりや、デザインそれ自体の解釈の広がりをふまえた審査を実施するとともに、受賞デザインに込められた意図やそれが指し示すものを理解し、社会に対して積極的に発信することが重要であると考え、初めて設けたのが「フォーカス・イシュー」です。


デザインは、私たちが何らかの目的意識に基づいて、現状からの変革を志すときに必ず立ち顕れてくるものであって、デザインの営為こそが社会を前進させるといっても過言ではありません。グッドデザイン賞に参加するきわめて多様なデザインは、それぞれに社会にはたらきかける意志を携えており、それらを的確に読み解くことが何よりも求められました。そのうえで、ともすればプロダクト、建築、ソフトウェア、サービス・・といった範疇内で理解されがちなデザインの価値に対して、ジャンルを横断して通底する骨太な思想・未来に向かう可能性を見出し、さらに伸長させていくことが重要とされました。

「フォーカス・イシュー」はこのような取り組みを推進していくうえで、その求心力の高さによって、私たちがデザインに向き合うための視点を提供するとともに、社会におけるさまざまな事象や人々の関心事とデザインとを結びつける紐帯となっています。そして、「フォーカス・イシュー」の理論的な先導を担う12名のフォーカス・イシュー・ディレクターによる提言は、これからの社会を築いていくためデザインに何かできるのか?という将来像を示しています。

ここから、グッドデザイン賞が来たる2016年度に創設60周年を迎えることもひとつの契機としながら、「フォーカス・イシュー」を通じたデザインからの提言の深化と、さらなる運動の広がりに挑むものです。


公益財団法人日本デザイン振興会