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グッドデザイン賞で見つける 今、デザインが向き合うべき 課題とは

審査プロセスをとおして 社会におけるこれからのデザインを描く、 グッドデザイン賞の取り組み「フォーカス・イシュー」

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2024年度フォーカス・イシュー

はじめの一歩から ひろがるデザイン

はじめの一歩から ひろがるデザイン:2024年度フォーカス・イシューレポート公開

2025.02.25

2024年度グッドデザイン賞を通して見てきたデザインの“うねり”「はじめの一歩から ひろがるデザイン」を生み出すための6つの提言と参照する18の事例を公開


本日、2024年度グッドデザイン賞フォーカス・イシューを総括したレポート『FOCUSED ISSUES 2024 はじめの一歩から ひろがるデザイン』を公開した。

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→ FOCUSED ISSUES 2024 はじめの一歩から ひろがるデザイン(PDF)

本年度のグッドデザイン賞を俯瞰し見えてきたデザインの“うねり”とその具体例、そして「うねり」を未来へつなげるためのアクションやヒントを40ページほどにまとめたものだ。

賞全体と強く連動するフォーカス・イシュー

審査を通じてデザインの新たな可能性を考え、提言する活動として、2015年度より展開してきた「フォーカス・イシュー」。

本年度で10年目となる活動だが、社会やデザインを取り巻く環境の変化に呼応し、年々変化を遂げながら今日まで歩んできた。

昨年度から齋藤精一審査委員長のもと大規模な刷新を図り、今年は新体制での2年目となる。昨度のフォーカス・イシューから導かれたテーマ『勇気と有機のあるデザイン』が、今年度のグッドデザイン賞全体のテーマに掲げられるなど、フォーカス・イシューが賞全体が強く連動していることがより鮮明に可視化されるようになった。

そうした中、2024年度のフォーカス・イシューでは『はじめの一歩から ひろがるデザイン』をテーマに制定。

はじめの一歩から ひろがるデザイン:フォーカス・イシュー テーマ決定

この言葉のもとで、正副委員長3名からなるフォーカス・イシュー・ディレクターと、各領域の専門家3名からなるフォーカス・イシュー・リサーチャーの計6名が思慮を深めたり、さまざまな専門家や有識者との対話を重ねたりし、具体的なアクションを提案するレポートをまとめあげた。

「6つの提言」を具体や背景などとともに、立体的に

いまデザインには、あるいは政治、行政、企業には、どのような態度や動きが求められるのか——レポートでは、それらをさまざまなステークホルダーに向けた6つの「提言」としてまとめている。

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提言(2024年度グッドデザイン賞 審査委員長/フォーカス・イシュー・ディレクター 齋藤 精一氏)

ディレクター/リサーチャーによる、受賞作などを踏まえた提言はもちろんのこと、提言をより深く理解するための解説や、有識者との対談・インタビュー、受賞作の読み解きなども収録した。

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フォーカス・イシュー・リサーチャー太田 直樹氏と元台湾デジタル大臣オードリー・タン氏の対談。本記事は、より長いバージョンをGood Design Journalにも掲載している。

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解説・事例

また2024年度のグッドデザイン賞全体を俯瞰的に理解していただくため、19ある審査ユニットのリーダーによる「ユニット総評」も掲載。本レポートで受賞作の全てに触れることは難しいが、提言をまとめるためにフォーカス・イシューのチームは全ての受賞作に目を通した。その全体感を総評から感じ取っていただければと思う。

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審査ユニット総評の一覧。レポート内は再編集版で全文はWebにも掲載している

後半には、レポートを手にした方が、テーマにある「はじめの一歩」を踏み出すための足がかりとして、提言から抜粋して一歩踏み出すためのヒントをまとめ掲載した。各提言はいずれも濃密な言葉が並ぶが、その分「自分事としてまず何をすれば…」と思われるかもしれない。そうならないよう、まず一歩踏み出すきっかけに使っていただきたい。

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これからの社会における可能性やデザインの役割と意義について思索を重ね、まとめた本レポート。読むことで、踏み出したい最初のアクションが自然と思い浮かんでくるようであれば幸いだ。

→ FOCUSED ISSUES 2024 はじめの一歩から ひろがるデザイン(PDF)

小山和之

エディター、ライター