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グッドデザイン賞の “今”を届ける

グッドデザイン賞の応募に込めた想い、 グッドデザイン賞の審査に込める想い、 さまざまな想いが交差し、連鎖する

「よいデザイン」を探求する プロセスを届ける

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2023年度グッドデザイン賞の審査がついにスタート!

2023.06.08

今年度の全体方針や具体的な審査方法を確認するための「審査委員全体会議」が6月1日に行われた。各分野の第一線で活躍する約90名の審査委員が一堂に会し、今後5ヶ月にわたる議論のスタートを切った。


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グッドデザイン賞の審査は、1チーム4〜5名からなる 「審査ユニット」を組み、 そのチームごとに割り当てられた応募対象を審査します。 今年は全19ユニット。生活用品から、建築、またシステム・サービスなど幅広いユニットで構成されています。

審査委員長・副委員長から審査委員へのメッセージ

会議冒頭、審査委員長の齋藤 精一さんから審査委員へ向けて、今年度のテーマ「アウトカムがあるデザイン」の解説に加え、「クロスオーバーした議論の重要性」についてのメッセージがありました。

「近年、ひとつのユニットだけでは判断できない受賞対象が増えていると思います。さまざまなユニットがクロスオーバーしながら議論するということは、グッドデザイン賞の大きな役割のひとつではないかと。1957年から始まっているこの賞の文脈を引き継ぎながら、今のデザインにどう立ち向かって行くのか。審査を通して、どう次のフェーズに、デザインというものを、また社会というものを導いていくかを見つける場所にしていきましょう」

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続いて審査副委員長の倉本 仁さんと永山 祐子さんからは、「8年間審査委員をやってきて、楽しみながら得るものが多かった。その楽しみを増幅できるように努めたい」「この審査を通して“デザインの力”がどこまで世の中に届くのか、改めて考え、消費されるデザインではなく、子どもたちの未来を切り開くデザインを見つけていきたい」と展望が語られました。

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いよいよ審査が始まる

その後、各審査ユニットごとに審査が始まりました。今年は、新型コロナウイルスへの「緊急対応」をする局面が終わり、少しずつ日常を取り戻している時。ここからまた新しい生活がはじまっていくこの年にグッドデザイン賞は、何を「よいデザイン」とするのか。審査委員らは、応募対象情報を見渡しディスカッションをしながら「デザイン」自体のアップデートを試みているように感じました。

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新しいユニットリーダーと審査委員

ディスカッションが行われた各審査ユニットには、取りまとめ役である「ユニットリーダー」がそれぞれ1名います。今年度からユニットリーダーとなった方のなかの3名の審査委員から、審査に対する想いを伺いました。

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新しくユニットリーダーに就任されたみなさん(全8名)

ユニット10 家具・オフィス/公共 機器設備 山﨑 宣由(プロダクトデザイナー / UXデザイン研究者 / 東京藝術大学 美術学部デザイン科 教授) 「デザインって明るくてたのしい」という視点を持っていたいです。グッドデザイン賞の審査の視点にもある「社会課題」という目線も持ちつつ「感覚的にいいよね」というような、説明できないけどいいこと、デザインだから評価できることを大切にしていきたい。

ユニット14 建築(産業/商業施設) 成瀬 友梨(建築家 / 株式会社成瀬・猪熊建築設計事務所 代表取締役) やっと日常を取り戻して、振り返ってみると、自分たちの生活に何が大切なのかをあらためてじっくり考える3年間だったと思います。その結果得られた視点で、審査に望み、今後の生活を考える機会にしたいです。

ユニット17 システム・サービス 水野 祐(弁護士 / シティライツ法律事務所) アプリやサービスがグッドデザイン賞に応募することは、すでに定着してきているように感じます。今年はそこから先の新鮮さを期待したいです。

また今年度、はじめて審査委員となった方は11名。各分野で新しい視点を取り入れながら、審査は進んでいきます。(審査委員の情報はこちら

今後の審査スケジュール

今回の審査委員全体会議から始まった一次審査は、6月26日まで行われます。その後、応募者へ一次審査結果の通知後に二次審査が始まり、受賞発表は10月5日となります。

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詳しいスケジュールはこちらから確認できます。

今年の「よいデザイン」はどう決まっていくのか、今後も審査過程をレポートしていきます。お楽しみに!

大橋真紀

編集・執筆

ウェブメディア「.g Good Design Journal」の編集チームのメンバー。外部メンバーとして、コンテンツの企画や編集、執筆を行う。