受賞企業から学ぶ、Gマーク活用のアイデア
2025.02.07
誰もが一度は見たことがある赤い「G」のマーク。これは約60年以上にわたり“よいデザイン”を顕彰しつづけているグッドデザイン賞を受賞した証であり、社会とデザインをつなぐ架け橋としても重要な役割を果たしています。 今回は、受賞企業がどのようにGマークを活用しているのか担当者にお話を伺い、具体的な事例を紹介しながら、その魅力や可能性を紹介します。
あらためて知りたい、「Gマーク」とは?
国内での認知度は、なんと83.6%*である「Gマーク」。受賞の価値はさまざまですが、そのなかでもGマークを使用したPRが可能になることも大きなメリットのひとつです。
プレスリリースやSNS、商品パッケージなど幅広く活用することによって、以下のような新しいコミュニケーションのきっかけとなります。
Gマークによってうまれるコミュニケーションの例:
信頼性の向上:品質やデザインの良さをひと目で伝えることができる 認知のきっかけづくり:ユーザーや取引先との会話のきっかけになる ブランドイメージの醸成:会社全体のデザインに対する取り組みやクオリティのアピールにつながる
多くの人にその価値が認知されている現在、Gマークは単なる受賞マークではなく、社会とデザインを結ぶ「コミュニケーションツール」となっています。また、アジアを中心に世界各国で広く認知され、海外からの応募も年々増えているため、グローバルな発信にも活用できます。
製品を引き立たせるGマークの活用
最初に紹介する活用事例は、果物用段ボール「フルーツボックスシリーズ」で受賞した株式会社 丸定。「フルーツ王国山形」の果物の魅力を伝えるために果物用段ボール『フルーツボックスシリーズ』を開発。
受賞後に開設されたショールームでは、段ボール製の展示台本体にGマークを装飾し、包装資材メーカーならではの親しみやすい方法で展開されていました。
ショールームに訪れたお客さまには、Gマークをきっかけに商品への関心を持ってもらうことが多く、カタログを持ち帰られる方も増加。さらに、ショールームの様子をインスタグラムに投稿したところ多くの反応があり、「企業のイメージアップや製品の信頼度向上につながった」と感じているそうです。
https://www.g-mark.org/gallery/winners/25345目にとまりやすい工夫がされたSNS発信
2つ目は、株式会社 エクセル眼鏡の事例です。製造工程などを見直し、製造時またリサイクル時の環境への負荷に配慮しながら快適な“かけ心地”を生み出したメガネが受賞しました。
SNSやWebサイト、また展示会の店頭POPなどでGマークを活用。SNSでは、断片的な情報として見た時でもグッドデザイン賞を受賞したことが分かるように、Gマークを大きく使用するなど、ユーザーのシチュエーションを考慮した投稿を意識されていました。投稿には今までよりも多くのリアクションがあり、フォロー外からや業界外からの反応があったそうです。
また、展示会でPOPに活用した際には、Gマークをきっかけとした問合せの増加を実感。社内のショールームでも活用し、「デザインチームはもちろん、他の部署も含めた社員のモチベーションが上がりました」と話しています。
https://www.g-mark.org/gallery/winners/21200多様なコンテンツ展開で、効果を最大化!
最後に紹介するのは、業務用の機材を開発するイーグルクランプ 株式会社の事例です。土木工事・鉄骨現場などで荷物を吊り上げる際に使用するつり具のデザインで受賞しました。
GマークをSNS、Webサイト、店頭POPへの活用だけにとどまらず、受賞対象に特化した単品カタログを制作したり、社外報に掲載したりと多様なコンテンツへと展開しています。
グッドデザイン賞へ応募の挑戦が始まった当初は、「ガチガチの業務機材だけど、グッドデザイン賞が取れるのか?」という反応もありましたが、見事受賞。また応募をきっかけに社内勉強会も開催されました。
「機能的な側面だけでなく “デザイン”という観点から改めて深掘りすることで、新鮮な発見があった」など社内で新しい視点やアイデアを共有することができ、また他部署との協力が始まるなどチームの結束力向上にもつながっているようです。
また、イーグルクランプ株式会社では、採用活動にもGマークを活用。これまで「専門的でよくわからない会社」という印象もあったそうですが、受賞により「チャレンジできる会社」として新たに認識され、学生からの関心の高まりを実感しているそうです。
https://www.g-mark.org/gallery/winners/22096Gマークでひろがる新しいつながり
今回紹介した3つの事例のように、Gマークをさまざまなアイデアで活用することによって顧客にはもちろん、社内メンバーや採用活動をしている学生など新しいつながりが生まれています。
Gマークの申し込み方法や使用料などについて、より詳しい情報は以下のPDFをぜひご覧ください!
大橋真紀
編集・執筆
ウェブメディア「.g Good Design Journal」の編集チームのメンバー。外部メンバーとして、コンテンツの企画や編集、執筆を行う。
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