「デザインって何だろう?」 小さなハテナから ひろがる世界を覗いてみよう
日々の暮らしや、社会に潜む あらゆるモノ、人、出来事を すこし立ち止まって眺めたり、考えたり…
素朴なギモンから「デザイン」を 知って、感じて、近づくための実験室

今回のテーマ
大学生アンケート
大学生が考える、デザインにできること
2025.12.12
グッドデザイン賞の審査は、デザインを学ぶ学生たちがサポートしています。 今年度サポートに参加した学生にアンケートを実施し、「よいデザインに必要なことは?」「デザインにできることは?」と問いかけました。 前回は「よいデザインに必要なこと」を紹介。今回は「デザインにできること」について寄せられた声をまとめます。学生のデザインをまっすぐに見つめる姿勢からデザインの本質を感じられる結果となりました。
デザインは「生活をよりよくする」力
最も多かったのは、 “生活を豊かにすること” の声でした。「日常をちょっと便利に」「暮らしを心地よく」「生活を楽しく、明るく」——多くの学生が、「デザイン=日常そのもの」という考え方も多く、デザインが良くなることで生活そのものが良くなるという、生活者に寄り添った視点が印象的でした。


デザインによるコミュニケーションで社会を変える
次に多かったのは、「デザインには社会を良くする力がある」という意見です。「世界を変えられる」「なんでもできる」「未来を切り開ける」という大きなスケールの声も多く、 デザインを“社会に働きかけるための装置”として捉える思考が共通していました。




また、その思考にはデザインは社会や人とのコミュニケーションの手段であることが前提であるように感じられました。


デザインによって、共感を生んだり、思考を促したり、コミュニケーションによって人の行動を変える、そんな「人を動かす力」がデザインにはあると語られていました。
デザインの力と、その“責任”
デザインは人や社会をより良くできるという声が多いなかで、ネガティブな方向にも変えられる可能性を示唆する意見もありました。デザインに力があるからこそ、その力の使い方を丁寧に考える必要があるという視点です。


また、人や社会にどんな影響があるかはまだわからないけれど、デザインに向き合うことによる自分自身の変化を語る言葉もあり、素直で実直なまなざしが感じられました。

今回のアンケートからは、学生たちが抱くデザインへのまっすぐな信頼と、その可能性を広く受け止めようとする姿勢が伝わってきました。
生活の中の小さな“便利”から、社会の未来を変えるような大きな“革新”まで。デザインはそのどちらにも寄り添い、影響を与え続ける。そんな、力強い答えが集まった2025年度のアンケートとなりました。
Journal編集部
編集・執筆
ウェブメディア「.g Good Design Journal」の編集チーム。デザインの新しい可能性を探るため、グッドデザイン賞の運営事務局と、外部メンバーが共同で企画・運営をおこなっている。
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