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2025年度グッドデザイン賞、一次審査スタート!結果発表は7月1日

2025.06.30

6月4日から、約4ヶ月にわたるグッドデザイン賞の審査がいよいよ始まりました!書類選考による一次審査では、国内外で活躍する約100名の審査委員による「一次審査判定会」が6月23日に行われ、通過対象が決定しました。


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グッドデザイン賞では、デザインの分野ごとに「審査ユニット」というグループが作られます。各ユニットは4〜5人の審査委員で構成されていて、それぞれが担当する応募対象を丁寧に審査していきます。

今年度からインテリア空間のカテゴリーが新たに加わり、全体で20ユニット。一斉に始まった審査ではカテゴリーの幅が広がったこともあり、「この審査ユニットで適切か」「公共性はどのように評価すべきか」などさまざまな問いに真摯に向き合っていました。審査委員たちは応募対象のWebサイトや過去の受賞対象などと照らし合わせながら、それぞれの応募対象に対して慎重に議論を進めていました。

審査は5つの理念4つの審査の視点を意識して行われている。

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各ユニットごとに円卓を囲み、議論が進んでいく

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一次審査って、どんな審査?

一次審査では、エントリーサイトに登録された情報をもとに書類選考が行われます。審査委員はオンラインで事前に投票し、その結果をふまえて「一次審査判定会」で話し合います。判定会では、応募対象の内容をひとつひとつ改めて見直しながら、多数決ではなく審査委員、全員の総意で一次審査を通過するデザインを決定していきます。

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今年度は新たに12名が審査委員に加わりました。さらに、2年前からは毎年2名のインハウスデザイナーも参加。常に新たな視点を取り入れるための工夫が続けられており、より客観的で多角的な視点からの審査が行われる仕組みが整えられています。

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議論を交わす新審査委員たち

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審査委員長と審査副委員長も各ユニットに参加し議論を交わす

また、今年度も一次審査には全国各地のデザイン系の大学や大学院に通う学生インターンが、各ユニットに1名ずつ参加。審査の運営をサポートしながら、第一線で活躍するデザイナーや専門家の考え方に触れ、貴重な学びの機会となっていました。

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議論を聞きメモにまとめる学生インターンたち

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新設されたインテリア空間のユニットには、海外からの審査委員も参加。会場では多言語が飛び交い、審査委員たちは椅子から立ち上がり、熱のこもった議論を展開していました。グローバルで多様な視点が交差する、活気に満ちた審査風景が広がっていました。

ひろがる審査の視点と、ユニットを越えた対話

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審査委員長の齋藤精一さんは、「2025年度のテーマ『はじめの一歩から ひろがるデザイン』は、審査に迷ったときの支えになるもの」と、改めて今年度のテーマについて解説しました。 また、「各ユニットの枠だけにとらわれない形で、審査委員長や副委員長をはじめ、ユニット間を横断した対話を重視してほしい」とさまざまな専門性や視点を持ち寄ることで、議論の中により深く豊かな理解が生まれる可能性について語りました。

審査委員長・副委員長の今年度のメッセージはこちら

一次審査の結果発表は、7月1日

一次審査の結果は、7月1日に各応募者へ通知されます。一次審査を通過した方は、二次審査に向けて情報の登録がスタート。そして幕張メッセで行われる二次審査会に向けて、準備が本格的に始まります!

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幕張メッセでは、3日間にわたって審査が行われます。審査委員は展示された審査対象やパネル、資料を見て、実物に触れたり、実際に使ってみたりしながら審査を進めていきます。 今後のスケジュールこれからの手順の詳細については、グッドデザイン賞の公式サイトで随時ご確認ください。

朝倉千恵子

執筆

書店で働きながら本や映像を制作する。TABF2024に参加。チェルフィッチュ『三月の5日間リクリエーション』や『リビングルームのメタモルフォーシス』に参加するなど俳優としても活動している。

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