2025年度 グッドデザイン賞 応募受付開始!締切は5/22まで
2025.04.11
グッドデザイン賞の2025年度の応募受付が、いよいよ4月1日からスタートしました!キックオフ・セミナーにて語られた、今年度のメッセージである「はじめの一歩から ひろがるデザイン」について、応募のポイントや、どんどん広がるデザインの定義に対応しながら、発展しつづけるグッドデザイン賞の在り方などを紹介します。
今年度のグッドデザイン賞の審査をレポート!
「GOOD DESIGN REPORT」では、今年度も審査過程やイベントの様子をJournal編集部が取材し、グッドデザイン賞の最新情報をお届けします! 今回は、4月3日に行われたキックオフ・セミナーの様子を紹介します。
2025年度は、「はじめの一歩から ひろがるデザイン」
2025年度の審査委員長は、昨年度に続いて齋藤精一さん、副委員長には倉本仁さん、永山祐子さんの3名に決定しました。この3名での体制は3年目を迎え、これまでの審査の経験と議論をもとに、より一層強固なチームに進化しています。
キックオフ・セミナーでは、はじめに審査委員長らから発表された今年度の「メッセージ」について解説されました。
メッセージの全文はこちら
今年度のメッセージは、「はじめの一歩から ひろがるデザイン」です。
メッセージの解説として齋藤さんは、2024年度のグッドデザイン大賞「RESILIENCE PLAYGROUNDプロジェクト」を例に挙げました。「医療ケアが必要な子と必要ではない子が分け隔てなく遊べる遊具というアイデアを掲げ、その達成に向かって一人のデザイナーの熱量からさまざまな人々や会社全体を巻き込んでいく力があった」と審査の視点を語りました。
続けて、「大切なのは、誰かが『絶対にやるべきだ』と感じるアイデアに対して、それを実現できるサービスや製品を検討することです。単にマーケティングの流れに乗るのではなく、自分たちが目指すべき方向を見据え、それに向かって進んでいくという視点を持つことが重要です」と語られました。
またグッドデザイン賞は、海外のデザイン賞などと比べると「デザイン」の定義を深く捉えていると賞の特徴を挙げました。
「グッドデザイン賞は、プロダクトの審査ひとつとっても、どんな素材を使って、どのような日常のために作られたのか、もしくは誰と、どのような働き方のなかで製造されているのか、プロセスを辿っていき、このデザインの起源は一体何だったのかということを審査委員はものすごく知りたい。一見、“デザイン”としては評価されないような深い部分も、審査対象となっています」とグッドデザイン賞の姿勢を示しました。
今年度のメッセージも昨年度に続き、「フォーカス・イシュー」の議論から導き出された言葉です。
フォーカス・イシューとは、審査を通じてデザインの新たな可能性を考え、提言するグッドデザイン賞の活動のひとつであり、2015年から毎年発表されています。
現在、東京ミッドタウン・デザインハブでは第113回企画展「はじめの一歩から ひろがるデザイン展 ー グッドデザイン賞2024フォーカス・イシュー ー」が 開催中です。
また、2024年度のフォーカス・イシューの冊子は、以下よりダウンロードすることが可能です。応募の前にはぜひご覧ください。
2024年度グッドデザイン賞 フォーカス・イシューを総括したレポート 『FOCUSED ISSUES 2024 はじめの一歩から ひろがるデザイン』 ダウンロードはこちら
https://archive.jidp.or.jp/focusedissues/gda_focused_issues_report2024.pdf
今年度の応募のポイントと、期待すること
エントリーシートの具体的な書き方として、「デザイナーだけでなく、さまざまな業種の人たちが関わっている場合、どのように一緒にプロジェクトを作っているのかなどが分かるといいなと思っています」
また応募の際に登録する「メイン画像」の重要性として、「1枚目の画像は、審査委員の皆さんの印象に残るものを採用してもらいたいです。プロジェクトの全容を表現し、製品やサービスについて簡潔で明確にその特徴が伝わるものを選ぶと良いと思います」と応募のポイントが語られました。
また、グッドデザイン賞は毎年アップデートを重ねていますが、今年度は、応募カテゴリーが新しくなりました。2025年度は全部で20のカテゴリーがあり、「インテリア空間」の部門が新設されています。
インテリア空間部門に関して永山さんからは「インテリアや建築などではCGを使った画像が使われることが多いですが、グッドデザイン賞では、見た目の格好良さよりも、プロジェクトが地域や社会に与える影響や、どのように活用され、変化を生んだかが重要視されます。今回、新設されるインテリアにおいても、ビジュアルが重視されがちですが、一般的なインテリアの賞とグッドデザイン賞では審査基準が少し違い、デザインが利用されているところで何が変わったのか、そういうところまで示してもらえるといいのかなと思います」と語られました。
そのほかの具体的な応募のポイントは、今後開催されるカテゴリーごとの「審査の視点セミナー」でも詳細に解説される予定です。また5月16日まではオンラインでの「個別相談会」も開催しています。応募手続きを進めている方や、応募に迷われている方はぜひご活用ください!
2025年度グッドデザイン賞 応募関連イベントのご案内はこちら ※各セミナーのリアルタイム配信は実施しませんが、後日、アーカイブ動画配信を行います
セミナーの最後には、今年度の応募対象に期待することをお話いただきました。副委員長の倉本さんからは「デザイナーや企業の個性から生まれる未来の兆しに興味があり、それを適切にプロダクトやサービスとして展開し、その後に社会にどう実装され、馴染んでいくのか、その過程を見たいです。
新しいインスピレーションが、次のクリエーションへと繋がっていく、グッドデザイン賞をそういう場にしていきたいなと思ってます」と語られました。
グッドデザイン賞のスケジュール
2025年度の募集〜受賞発表までのおおまかなスケジュールがこちらです。応募から約半年間かけて審査し、受賞発表が行われます。
応募に必要なステップ 1. アカウント登録をする 2. 応募情報入力用の「エントリーサイト」にログインする 3. 応募デザインの必要情報を登録する
応募は、5月22日13:00までです。まずはアカウント登録から始めましょう!
あらためて知りたい、グッドデザイン賞とは?
最後にあらためてグッドデザイン賞とは、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨のしくみです。65年以上にわたり「Gマーク」とともに広く親しまれながら、 デザインによって、暮らしや社会をよりよくしていくための活動をしています。応募対象は、有形無形のあらゆる「デザイン」です。「受賞のメリットとは?」「どのように審査をしているの?」などの情報は以下をご覧ください!
朝倉千恵子
執筆
書店で働きながら本や映像を制作する。TABF2024に参加。チェルフィッチュ『三月の5日間リクリエーション』や『リビングルームのメタモルフォーシス』に参加するなど俳優としても活動している。
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