今回のお訪ね先
NPO法人チャリティーサンタ
書店でできる、楽しい寄付体験
2024.11.21 【PR】
全国のさまざまな書店で、大変な境遇にいる子どもたちに向けて、クリスマスや誕生日などの機会に新品の本を届けるプロジェクトを実施しているのをご存じでしょうか。「ブックサンタ」という社会貢献活動で、2024年度グッドデザイン・ベスト100に選出されています。
主催は「あなたも誰かのサンタクロース」を合言葉に2008年より活動するNPO法人チャリティーサンタ。書店や子ども支援団体と連携し、これまでに27万冊の本が寄付で集まりました。楽しい寄付体験であるとして、草の根的に広がっています。子どもたちと、「本を贈りたい大人」をつなぐ仕組みは、どのようにデザインしたのでしょうか。チャリティーサンタの清輔夏輝さん、NICリテールズの野上由人さん、デザイナー・イラストレーターのかわいちともこさんに伺いました。
ひらめきから生まれた仕組みのデザイン
— 清輔さんは、十代の頃にヒッチハイクで日本を回り、人の優しさに触れて人から受けた恩は返すのではなく、バトンのように渡していこうと、チャリティ−活動を始められたそうですね。
2008年からサンタを待っている子どもにプレゼントを届ける「チャリティーサンタ」を開始しています。「ブックサンタ」は2017年から始まりましたが、書店と連携した活動はユニークです。どのようなアイデアから始まったのでしょうか。
清輔夏輝(NPO法人チャリティーサンタ代表理事) チャリティーサンタとして、子どもにサンタとの特別な思い出を届ける活動をしていくなかで、クリスマスや誕生日にお祝いができない家庭が少なくないことに気づいていました。家庭でのプレゼントの準備がしんどいのです。 その潜在的な要望に応えて、安定的にプレゼントを用意するには、企業の協力が必要となります。それをどうすれば、子どもたちが喜ぶかたちにできるだろうかと考えあぐねていたんです。
そんな時、本の流通を担う日本出版販売(日販)に勤務する方に出会いました。すると、出版業界の不況が長く続いて、書店がどんどん廃業している現状に心を痛めつつ、「リアルの書店を、魅力的な場所にしていくことはできないだろうか」と口にしたんです。その言葉を聞いて、書店で本を買ってそのまま寄付すればいいんじゃないかと、ハッと気付いたんですね。
清輔 これまでの活動や調査から、子どもたちに本が喜ばれるとことはわかっていたので、その仕組みをつくれば、プレゼントが確保できると考えました。でも、はたして、協力してくれる書店はあるだろうかと悩んでいたところ、日販さんから野上さんを紹介されたのです。
野上由人(NICリテールズ執行役員) 私は日販のグループ企業の書店であるリブロに勤務していたんです。経済的に困窮している子どもたちのところに本を届けるというコンセプトを聞き、何かいいかたちで協力ができたら、と思いました。
野上 ただ、出版市場が縮小し始めてからかれこれ20年経ちます。業界はボロボロで、書店はどんどん潰れているので、現場に余裕はないんです。志の高い企画で一緒にやれることがあればやりたいけれど、書店側ができることはそんなにない、間違ってもお金は出せないと伝えました。
清輔 それぞれのリソースから、これはできるか、あれならできるかと話しあって、書店の慣習に沿った無理のないスキームに辿り着きました。最初は、とにかくお金をかけないでやるしかない。初年度は事務所や倉庫は借りられないので、本が届くのはわが家でした(笑)。
野上 最初の頃は店でお客様から預かった本を一旦本社に集めて、これは赤ちゃん用、こっちは小学生用と世代別に分類して、清輔さんのご自宅に送っていました。その送料を書店側が負担します。それがこの取り組みで書店が払っている費用となります。
マッチングしていく喜び
— 仕分けされた本は、本を希望する家庭からのアンケートをもとに、マッチングしているのですね。大変な作業です。
清輔 最初の2年ぐらいは僕がマッチングしていました。申し込み時に行うアンケートから読み取って、よさそうな本を選び出します。「3歳の頃からずっと恐竜が好きで、図鑑もページが取れるほど何回も読んでいます」と書かれていたら、恐竜図鑑を選びます。「普段、本は読みません」みたいなケースもあります。選んだ本が子どもの希望と一致していると、すごくポジティブな声が返ってくるんですよ。うれしい瞬間です。
野上 始まった当初はもちろん書店員の私の方が本については詳しかったんですけれど、このマッチング作業を何年もやってきているので、今や児童書についてはチャリティーサンタのスタッフの方が詳しいぐらいになっているんですよ。
清輔 平常時は、子育てを経験している女性スタッフ5人が主に担っています。現在このプロジェクトはNPO団体など300団体が参加しています。昨年は約9万冊の本を届けました。このうち、僕たちが直接届けているのは、1〜2万冊だと思います。
— 本を読むきっかけを子どもたちが得られるというのは、大きな意味があります。
清輔 僕たちも参加されている団体の方々も当初はそう思っていましたが、実際に本を届けてみると、予想以上に子どもたちが喜ぶのだとわかりました。こんなに子どもが喜ぶんだったら、一緒に本を届けたいという声が次々あがり、参加団体が毎年増えているんです。活動としては負荷もかかるはずですが、ほぼ全ての団体が続けています。
本はその人の人生を開く扉
— 大人が思っている以上に、実は子どもは本が好きなんですね。
野上 子どもが一番本を読んでいるんじゃないかな。大人に比べて読んでいますよ。
清輔 それに、純粋に、いいものはいいんです。ゲームやスマホなど余暇の時間帯を埋める競合相手がいっぱい出てきているから、本はもう人気ないんじゃないかと勝手に思っているだけ。実際、出版業界の調査によると、子どもたちの読書率は上がっているんです。小中学校での「朝読書」(朝の読書運動)などの影響もあるのでしょう。
— 読書で知識を得て、感性も刺激されます。
清輔 昔から「本は扉」と言いますよね。本と出会って、その人の人生の扉を開いたり、選択肢や可能性が広がったりします。知らない世界が広がっていくのは、子どもにとってとても大きな経験になると思うのです。
野上 とはいえ、本は経済的に余裕がなければ後回しになりかねない。ご飯を食べるのが最優先だし、幼稚園や小学校に通うときの服装の方が気になるでしょう。そちらに先にお金を使って、本は最後になる。大人もそうだと思います。そういう意味で、この取り組みで子どものところに本が届くのは、貴重な機会だと思います。
清輔 図書館にも本はありますが、その本は返さなくちゃいけない。だから好きな本を「何度も何度も借りて、何度も何度も返してきた。この本がもらえてうれしかった」と、言われたこともあります。「やっと自分の本になった、これからはどこにでも持っていける」という声もある。でもサンタさんからもらった本は、みんな、めちゃくちゃきれいに扱ったりするんですよ。自分だけの本がない、そんな子どもにたちに本を渡せるのは、尊いことです。
— かけがえのない経験にもなります。
清輔 大切にしているのは、1冊の本でも子どもがどう受け取るか、ということです。特別な機会に届いたら、喜びもひとしおでしょう。クリスマス、誕生日、何かのお祝い……、特別なときに届いたら、受け取る印象も違い「自分が大切にされている」という体験になる。私たちの団体ミッションである「子どもたちに愛された記憶を残すこと」にもつながっています。だから子どもたちが喜ぶ機会に合わせて贈りたいんです。本当に喜ぶような状況をつくって届けたい。本がいっぱい集まったからばらまくのとは違うんです。
経済合理性からも参加した方がいい
野上 サンタクロースがクリスマスに本を届けるというストーリーが、参加者が集まってくる理由でしょう。そして参加書店が増えてきたことによって、寄付できる拠点が全国に広がり、集まる冊数がどんどん膨らんできています。
清輔 この数年でメディアに取り上げられる機会も増え、参加書店が増えました。
野上 最初はリブロだけでやっていたので、業界のほんの一部の話でした。メディアで取り上げられると、 お客様の方から「どうしてあなたのところではやっていないのか」と、意見をもらうんです。
野上 それで、現場の書店員がやりたいと口にする。トップの経営判断だけでなく、草の根的な熱量で広まっていったんです。児童書の売り場を担当しているスタッフからの反応はとてもよくて、趣旨に賛同するスタッフが多かった。そういう意味では、進めやすかったですね。
現在では約1800店舗が参加しています。書店業界のいわゆるキャンペーンでは最大級の参加店舗数です。こんなに書店みんなが参加するプロジェクトは、ほかにはありません。
清輔 書店の現場ではお客様への対応やポスターなどの掲示をしてくださる書店員さんの手間はかかったとしても、経営側は経済合理性的にも参加するメリットがあると判断したのだと思います。
野上 書店の参加ハードルが高くならなかったのは、そこですよ。参加してなかったら得られなかった売り上げが単純に増えてくるわけで、書店側の持ち出しは基本的にない。多くの書店が参加できる仕組みの一番大きな理由だと思います。
思いを乗せて本を贈る
— 当初の目的のひとつであった、書店が活性化する、元気になるというのも見事に実現しているのですね。
野上 発明だと思います。なかなかないですよ、こういう企画は。新しく仕事が増えることを普通はみんな嫌がります。
清輔 書店に行って、見て、選べる。すぐに行動できる強みと、書店は誰でもふらっと入れる雰囲気があり、公共性が担保されているので、寄付へのハードルも低く感じるのでしょう。
何より、本を選んでいる時間が楽しいんです。僕はブックサンタに参加している書店に来たら必ず1冊寄付しています。自分の娘や息子だったら何を選ぶかなとか、自分の子ども時代だったら何を欲しがっただろうとか、今のはやりの本は何なのかと、あれこれ考えながら探すのは楽しいですよ。寄付者の中には、他の方が選ばなそうな本を見つける人もいれば、毎年決まった本を贈る人もいます。
野上 大人同士で考えたら、本の贈り物は意味が出るというか、ちょっと重たいじゃないですか。なぜそれを選んだのか考えてしまいます。本には思いが乗るんですね。そういう意味で、みんな思いを乗せて参加しているところが、この寄付活動のおもしろいところです。ただお金を出すだけではないんです。
伝わるデザインが間口を広げる
— 親しみやすいイラストを用いたポスターや冊子、ステッカーなども、間口を広げる効果をもたらしています。デザイナー・イラストレーターのかわいちともこさんが手がけていらっしゃいます。
清輔 かわいちさんは、デザイナー、イラストレーターでもあるんですけど、文章もみてくれたりもします。チャリティーサンタの活動をよく理解してくれているので、いろいろ相談しているのです。
かわいちともこ(デザイナー・イラストレーター) チャリティーサンタ発足前からですから、かれこれ15年近いお付き合いでしょうか。ロゴを始め、ブックサンタ以外のチャリティーサンタさんのプロジェクトもやらせていただいています。子どもの夢を壊さないことを心がけつつ、そこに何か夢を感じられるように、いろいろなことを考えながらアウトプットにしています。
— かわいいイラストですね。パッと見て世界観が伝わります。どうデザインしているのですか?
かわいち ストーリーのようなものを考えたりします。最終的には、受け取る人が違和感なく受け取っていただけるもの、喜んでいただけるものになったらいいなと思っています。せっかく夢のある活動をしているのに、それを損ねるようなことだけはしたくないんです。
野上 実はかわいいのも大事で、書店員が前向きに取り組む理由の一つなんですよ。自分たちのお店に貼るポスターがかわいくなかったら、嫌になっていたかもしれない。それぐらいとても大事なポイントです。
かわいち どちらかというと、私はおしゃれなデザインはあまり得意ではないんです。それよりも、デザインだけでいろいろな人に情報が間違いなく伝わるように、さまざまなケースを想定して、細部まで情報を整理するようにしています。間違って受け取り、あらぬ方向に転がっていったりしない伝え方をしたいと思っているんです。
野上 今では当たり前のように書店で本を買って寄付してもらう仕組みと言っていますけれど、そんな仕組みはこれまでなかった。ですから最初は誤解もあって、自分がここで本を買って預けたら、自分の子どもにクリスマス当日に届けてくれるサービスかと思いこむ人もいました。
野上 説明しなければいけないことがいくつもあります。その複雑な仕組みをビジュアルだけで、どう利用者に伝えるか。そこをかわいちさんががんばってくれています。ポスターが出来上がったときに、「なるほど、こういうことか」と腑に落ちましたね。
「悲しい子を救おう」では世の中は変わらない
— チャリティーや寄付活動について、特別に意識することなく自然に始めることができるのがいいですね。
清輔 僕らの活動は多分、初めての寄付や初めて社会課題に向き合うという、最初のきっかけになる活動でもあると思います。そこから広くボランティア活動に関心を持ってくれる方も少なくありません。
野上 格差や貧困を重く受けとめて参加している人ばかりではなく、相手先の家庭の経済状況と関係なく、子どもに本を届けたいと思っている人はたくさんいます。サンタが届けてくれるらしいから、贈りたい本をどんどん買うといった気楽さがあるのが、むしろいいと思っています。
かわいち 「つらい状況にいる子がいるから寄付する」ではなく、普通に楽しいから寄付する。寄付っていいことだし、それでしかも楽しいのだからやってみよう。それぐらいの軽い気持ちで始めて、その結果、こういう境遇の子たちがいるんだという気づきが広がっていったらいい。
清輔 「恵まれない子ども」と書けば事情は一発で伝わりますが、僕たちはそういった表現は極力使わないようにしています。恵まれているかどうかは本人が思うことで、外からレッテルを貼ることではないから。そこは自分たちが大切にしたいところでもあります。
かわいち ビジュアルとしても、悲しい、苦しい、つらそうな印象のものは意識的に選ばないようにしているのです。
清輔 「悲しい子を救おう」で世の中がよくなるなら、さまざまな支援団体のがんばりですでによくなっているはずですよね。でも、そうなってはいない。自分も楽しくて相手もうれしい。相手が喜ぶから自分も幸せ。そういう感情が起点だからこそ、ブックサンタが広がっているんです。チャリティーサンタのボランティア活動もそうですが、おもしろそうだからやってみる、でいい。でもやってみたら、相手の幸せから、自分も幸せになれることを実感できるんです。
— 今後の展開や目標など、お聞かせください。
清輔 ブックサンタそのものは、もう少し広がって、より参加しやすい状況になっていくでしょう。ただ全国的に書店さんが減っている現状もあり、これからはブックサンタ参加書店は増えづらい状況になると予想しています。
まだまだ届けられるであろう子どもたちはたくさんいます。僕らは0歳から18歳の子どもを対象としていますが、2022年の厚生労働省「国民生活基礎調査」は、17歳以下の子どもの9人に1人が相対的貧困に直面していると報告しています。それは200万人を超えています。
長い目の展望としては、そのうちの25%、4人に1人ぐらいがブックサンタを知ってくれるところまでは、努力していけるのではないかと仮説を立てています。そうすると50万人になります。その子たちに年に2冊、クリスマスと誕生日という機会に本を必ず渡す。努力した結果として掲げられる、一番高い目標です。
— つまり、100万冊の本が必要になります。
清輔 それには2つ大変なことがあります。まず、集める本を増やすこと。そしてそういう子どもたちにどうリーチできるか。これは簡単なことではありません。
— 運営体制も強化しないとなりません。
清輔 現在、ざっくり10万冊の本を扱っていますが、その10倍の100万冊を扱うとなると、運営も変えなければなりません。ここ数年は、毎年倉庫を拡大し、人員を増やしていますが、固定費が増え続けるこのやり方に限界があります。そこで今年度は、自動で本を仕分けする機械を導入する計画です。ベルトコンベアで運びながら本のバーコードを読み込み、十数カテゴリーに仕分けするというわれわれの希望内容を伝えたところ、届いた見積額はなんと5,000万円!
清輔 それはさすがに用意できないので、一部を手動に切り替え、もう少し小さくスタートできるように計画を見直していますが、それでも1,000万円以上はかかる見込みです。100万冊の未来に向けた途中段階として、毎年課題が変化し、やれることはいっぱいあるというのが現状です。
— これまでのお話で参加者のあらゆるところに負荷がかからないよう、考え抜かれた仕組みだということがわかりました。唯一、負荷がかかっているとしたら、チャリティーサンタの皆さんなのですね。活動資金も必要です。
清輔 負荷とは思っていませんでしたが、言われてみればそうかもしれない。私たちの活動は、助成金や公的資金が取りづらいため、活動資金のほとんどを個人からの寄付に頼らせていただいています。昨年は、参加者全体のおよそ1割の方々が、活動資金に対しても寄付してくださって、なんとか活動が成立しました。10人に1人が「本が子どもに届くまでの部分にも賛同してくれる」というのは、よいバランスかもしれません。
これからも活動を広げていきますが、プロジェクトの裏側や詳細を伝え、子どもたちに届くまでを応援してくれる人を募っていくことにも、力を注いでいきたいと思っています。
— 共感する方は多いでしょう。参加するのに負担が少なく、参加すると楽しい経験も得ることができる。共感の輪が広がる仕組みまで組み込まれている、優れたデザインだと感じます。この仕組みが、さまざまな場面で応用されていくことにも期待したいですね。本日はありがとうございました。
ブックサンタ公式ホームページはこちら: https://booksanta.charity-santa.com
本を通した新しい寄付活動「ブックサンタ」
NPO法人チャリティーサンタ
生活困窮、病気、被災などによる体験格差*を抱える子どもたちに、新品の本と思い出を届けることを目的としたプログラム。賛同書店で寄付者が購入した本が全国のNPOなどを通じて、対象の子どもたちにクリスマスや誕生日のプレゼントとして届けられる。寄付者にとっては「贈る本を自ら選べる」という楽しく幸せな寄付体験となり、口コミで輪が広がり続けている。 *体験格差 子ども時代に本来は当たり前に体験・経験する機会をさまざまな要因によって得ることができないないために生じる格差のこと。
- 受賞詳細
- 2024年度 グッドデザイン・ベスト100 本を通した新しい寄付活動「ブックサンタ」 https://www.g-mark.org/gallery/winners/26786
- プロデューサー
- 清輔 夏輝
- デザイナー・イラストレーター
- かわいちともこ
- この記事はNPO法人チャリティーサンタとGood Design Journalの企画広告です。
石黒知子
エディター、ライター
『AXIS』編集部を経て、フリーランスとして活動。デザイン、生活文化を中心に執筆、編集、企画を行う。主な書籍編集にLIXIL BOOKLETシリーズ(LIXIL出版)、雑誌編集に『おいしさの科学』(NTS出版)などがある。
高橋マナミ
写真家
大学卒業後、会社員生活を経て26歳で写真を始める。専門学校、写真家助手を経て、2011年に独立。雑誌・広告等のクライアントワークのほか、金属加工の工場が舞台の『TRILL』、女子バスケットボール選手を追った『Long Yesterday』など、作品制作も並行して行なっている。
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