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約3,000人が集った“デザインの祭典”!2025年度のグッドデザイン賞 受賞祝賀会

2025.11.13

11月4日、東京ガーデンシアターでグッドデザイン賞の受賞祝賀会が開催されました。審査委員長・副委員長によるクロストークをはじめ、グッドデザイン・ベスト100の紹介や、大賞・金賞などの特別賞の表彰、そして「みんなの選んだグッドデザイン」の結果発表など、今年度の受賞対象がさまざま紹介されました。約3,000人のデザインに関わる人々が一堂に会し、受賞者同士や審査委員と交流を深められる、まさに“デザインの祭典”となりました。


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祝賀会会場の中央には今年度も巨大なGマークステージ

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フォトブースにて受賞者が撮影する様子。

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受賞企業が一覧できるパネルや、プロのカメラマンによる撮影ブースなど記念撮影を楽しめるスポットが多く用意されていた。

「未来への手触り」を感じられる祝賀会

東京ガーデンシアターに設置された巨大なGマークのステージを中心に、2025年度グッドデザイン賞受賞祝賀会が始まりました。最初に公益財団法人日本デザイン振興会 会長・内藤廣氏からは「AIの技術が進化しデザインは今、岐路にあります。そんななかでグッドデザイン賞の受賞対象を通して“未来の手触り”を感じられるのではないでしょうか」と開会の挨拶がありました。

続いて委員長・副委員長によるクロストークが行われ、「今年は、長く続けてきた活動が新たに評価された年だった」「新たな芽吹きを愛でることはもちろんのこと、みんなを巻き込みながら継続し、維持しながらも時代に合わせて進化し続けていくことの大切さに気付かされた」と今年度の審査を振り返り、最後には「今回の祝賀会を通して、同じ業種の方や同じ地域で活動している方などさまざま方と名刺交換したり、ぜひ交流してください!」と呼びかけもありました。

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受賞対象ひとつひとつにスポットが当たる表彰式

表彰式ではまず「グッドデザイン・ベスト100」が紹介され、選出された受賞者全員が中央ステージへ。客席からステージを撮影するなど、喜びを分かち合う姿が見られました。

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続く金賞の表彰では、代表者が一人ずつ登壇し、トロフィーを授与。今年度の金賞は各ユニットから1件ずつ選出されているため、登壇した受賞者にはユニットリーダーから祝福とともに、選出理由やデザインの意義についてのコメントが贈られました。

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さらに、金賞20件の中から選ばれた「みんなの選んだグッドデザイン」も発表。 受賞展の来場者による投票で決定するこの賞は、一般の人々の視点から“もっとも心に残ったデザイン”を表彰するものです。今年度は株式会社豊島屋の「鳩サブレー 1枚入缶セット」が1,137票を獲得し、圧倒的な支持を集めて選ばれました。

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「いつか鳩サブレーを割れずに携帯したい」という夢を形にした、誰もが笑顔になるデザイン。発表の瞬間、会場には大きな歓声が広がりました。

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みんなの選んだグッドデザインを受賞した株式会社豊島屋。

表彰式の最後を飾ったのは大賞のトロフィー授与。今年度の大賞は、坂茂建築設計・株式会社家元・株式会社長谷川萬治商店による「DLT木造仮設住宅」です。 今年度は、受賞対象についてのプレゼンだけではなく、トークセッションも行われました。トークのなかで建築を担当した審査委員の原田 真宏さんは「今年度の大賞は、デザインが困難な状況でこそ役立つことを示してくれた。それが本当によかった。この取り組みをモデルケースとして広がっていってほしい」と語りました。

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プロジェクトの経緯や今回活用されている「DLT」について、また能登半島地震での取組みについてプレゼンテーションがされた。

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審査委員と大賞受賞者とのトークセッションの様子

写真を撮り合い、語り合う、交流タイム

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祝賀会終了後は、交流会が開かれました。毎年恒例のフォトスポットに加え、今年度は受賞者と審査委員の席を近く配置するなど、より交流しやすい設計となっていました。受賞者が審査委員に「どんな点が評価されたのか」を直接尋ねたり、審査委員が審査の過程で交わされた議論を伝えたりと、受賞を機にデザインをさらに深める対話があちこちで行われていました。また受賞者同士では思わぬ再会や、「ずっと話してみたかった方とついに話せた!」という声も聞かれました。

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地域の取り組み・活動を担当した審査委員の内田 友紀さんは、「台湾など海外の受賞プロジェクトのメンバーとも会うことができ、文化的背景の違いなどを共有できた。一堂に会したからこそ交わせた会話で、とても貴重な時間でした。」と語りました。グッドデザイン賞が日本最大級の“デザインコミュニティ”となり、形式的な式典を超え、デザインを軸に人と人がつながる場となっていることが実感できる祝賀会となりました。

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今後、受賞者には受賞対象1件につき1枚の表彰状と、今年の受賞年鑑が贈られます。またGマークの使用など、受賞後のサポートもさまざま用意されています。グッドデザイン賞の活用についての詳細は、公式サイトをご確認ください。

また今年度の受賞対象はすべて、受賞ギャラリーにて公開されています。ぜひご覧ください!

2025年度受賞ギャラリー:https://www.g-mark.org/gallery/winners

Journal編集部

編集・執筆

ウェブメディア「.g Good Design Journal」の編集チーム。デザインの新しい可能性を探るため、グッドデザイン賞の運営事務局と、外部メンバーが共同で企画・運営をおこなっている。

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