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「よいデザイン」がつくられた 現場へ

よいデザイン、優れたデザイン、 未来を拓くデザイン 人々のこころを動かしたアイデアも、 社会を導いたアクションも、 その始まりはいつも小さい

よいデザインが生まれた現場から、 次のデザインへのヒントを探るインタビュー

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今回のお訪ね先

株式会社クロス・クローバー・ジャパン

ネコたちがデザイナー。私は伝える役目です。(前編)

2025.06.27

ネコと人間の関係は古く、古代、農耕を始めて増えたネズミを狙いに、人里にネコがすみ着いたのが始まりとされます。近年、ネコの平均寿命は飛躍的に伸びていますが、反面、新たな課題も生じています。太野由佳子さんは、ネコ好きが高じてクロス・クローバー・ジャパンを起業し、ネコ目線の商品開発を行っています。ネコ目線とはどんな目線!? ネコを起点にした社会づくりまで視野に入れたその活動について語っていただきました。


ネコはパートナーだから一生向き合える

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ネコはパートナーだと語るクロス・クローバー・ジャパン代表の太野由佳子さん。手元のネコの保定服「ねこずきのおくるみ」(2024年度)をはじめ、左下の爪研ぎ「GarigariBOARD」(2012年度)、同上キャリーバッグ「ねこずきなトート」(2017年度)など、グッドデザイン賞を受賞した製品が並んでいる。

— クロス・クローバー・ジャパンの経営理念は「『ネコ目線のモノづくり』でネコの困ったを解決します!」。また6億頭の世界のネコを幸せにしたいと、ネコ事業を展開しています。ネコの幸せを叶えようとするプロセスには、幸福の輪が広がるような、今後の社会へのヒントがあると感じます。まずは、ネコ事業を始めたきっかけを教えてください。

太野由佳子(クロス・クローバー・ジャパン 代表取締役) 物心ついたときからネコが好きで、最初に撮った写真もネコでした。ネコとの生活は、20歳のときに「なると」という子猫を迎えたのが始まりでした。その後は医療機器メーカーに勤務しながら、休日に動物保護施設でボランティア活動をしていました。そこから2匹の保護猫が家族になっています。

そのボランティアで起業家支援の仕事をしている方と出会い、「あなたは経営者に向いている」と背中を押されたのが起業のきっかけです。言われてその気になって、ネコ用グッズを販売する会社を立ち上げました。

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太野さんはネコたちからのメッセージをキャッチすることで、これまでにない商品を開発している。

太野 私にとってネコはペットではなくパートナーなので、ネコに関わることならば一生向き合っていけるはず、という自信があったのです。こうして一人と3匹のネコとで会社を始めました。27歳のときのことです。

— 現在運営されているブランド「nekozuki」(ねこずき)のサイトには開発に欠かせない「ネコ社員」が紹介されていますが、起業当初からネコがパートナーとして事業に参加していたのですね。

太野 はい。ネコたちが気に入りそうな商品を仕入れて販売するセレクトショップを始めたのです。盛岡に実店舗を設けましたが、全然、人が来てくれないのです。売り上げも芳しくなく、スーパーでアルバイトしながら凌いだ時期もありました。

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初めて飼ったネコの「なると」さん。新聞の里親募集コーナーで出会った、スコティッシュ・フォールドのミックス種。どう育てればよいかわからないことだらけだったが、なるとさんとの生活での「困りごと」は、開発の大きなヒントになった。

太野 その後、インターネットで物を売る方法があると知って始めたところ、少しずつお客さんが増えていったのです。2006年頃のことです。

それでも当時は時間があったので、なぜ買ってくれたのか気になりすぎて、購入者に電話をかけて直接聞いたりしていました。その対話で、購入の理由や、ネコと暮らしていくなかで、どんなことに困っているのかを知ることができたのです。

— 「気になりすぎて」というあたりに、熱いネコ目線を感じます。どんなネコがどう困っているのか、さまざまな実情を知りたかったのですね。

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なるとさんにかわいいスエード製の首輪を着けていたら、そのせいで首回りがはげてしまったことがあった。「良かれと思ってやったことで、ネコに苦痛を与えることもあるのです」。その気づきが、開発の下地になっていく。

太野 皆さん、困り事とかを教えてくれるようになったので、「解決できそうな商品を探しておきますね」と、返答していたのですが、どこを探してみてもそんな商品は見つからないのです。

こちらからわざわざ電話して尋ねたことに対し、何もできないのでは申し訳ないと思うようになっていました。それで、ないなら自分で作ってみればいい、と考え始めました。

太野 ペット用品はつい「かわいいな」と、人間の目線だけで選んでしまいがちです。でも使われている素材や形状などが、ネコには好ましくないものだってある。実際に、展示会に行くようになってさまざまな商品を見ているうちに、ネコの習性や生態に合っていないものも目につき始めていました。

人間目線で開発していては、ネコの健康に害を及ぼすリスクもあります。でもその頃から、不思議と私の頭の中にはネコに必要なもののイメージが湧き上がってきていました。それまでわからないなりに、飼い主として責任を持ってネコと暮らしてきた経験があったからかもしれません。

探してないなら、自分で作ろう

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団地の空き地で保護された三毛猫の「きなこ」。黒猫の「あんこ」は道端でうずくまっていたという。動物いのちの会いわてを通じて太野さんの家族となった。

太野 2008年になるとさんが肛門嚢炎になり、手術をしました。ネコは体を舐める習性がありますが、ザラザラした舌で傷口を舐めると悪化させてしまうため、エリザベスカラーという頭部を覆う保護具を着けます。でも当時は、ペット用品売り場のほとんどがイヌ用で、ネコ用のカラーはありませんでした。だから作ってみようと思い立ったのです。

— 小型犬用のエリザベスカラーしかなく、それはネコには使いづらいものだったのですね。

太野 私が探した限りではネコ用のものはありませんでした。なるとさんにはプラスチック製の硬くて重いエリザベスカラーは負担が大きく、それが邪魔になり自力でお水もご飯もとれなくなり、トイレに行くにも引っかかってぶつかっていました。どんどん元気がなくなってしまったのです。病気の回復以上に、保護具で元気が失われることが心配でなりませんでした。

— 保護具を着けるので不自由があるのは仕方ないとしがちなところ、改善したいと立ち上がったのですね。でもゼロから想像して作るのは、大変ではありませんでしたか?

太野 イヌは鼻先が長いから、イヌ用のエリザベスカラーではネコの顔からすると長すぎるんです。なるとさんは硬くて重いことに困っていたので、その逆の軽くて軟らかくて、ネコに合ったサイズにしようと試作していきました。

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ネコ社員「ちゃっくん」に市販のエリザベスカラーを着けてテストしたところ、行く先々でカラーが当たり、動きにくいことがわかった。

太野 実際にエリザベスカラーも人間サイズのものを作って、自分で装着して四つん這いになって使ってみたりもしました。硬い素材ではいろいろなところに引っかかってしまい、ネコが好きな狭い場所には入れない。そこで、軟らかい素材を使うことにしたのです。

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人間サイズのエリザベスカラーを作り装着する太野さん。実際に自身で体験することで初めて気づくこともあると語る。

太野 何個くらい試作したでしょうか。試作とネコテスト、修正を繰り返し、100以上は作ったと思います。ちょうどいい塩梅を探っていくことで、ようやく基本の形ができあがりました。

ネコ専用のエリザベスカラーを「フェザーカラー」と名付け、2011年10月から発売を開始しました。最初はフリーサイズとして1個だけ作りましたが、完成後も改良を続けています。もっと体が大きなネコ種用、小型種用と増え、現在は7サイズまで出しています。

あせらずじっくり観察し、修正を欠かさない

— 最初のものができあがるまでは、かなり時間がかかったのではないですか?

太野 ネコは気分屋じゃないですか。その日の気分によって、思っていたのと違う反応を見せることもあります。そのため何日か様子を見ながら、総合的に判断していかねばならず、どうしても長期にわたってしまうんです。やっぱり居心地悪そうだな、ここを直そう、という修正を何度も何度も、繰り返しました。

結局、なるとさんが必要だったタイミングには間に合わず、できあがるまでに1年半〜2年要しました。飼い主さんの多くは、ネコの負担を少しでも減らしてあげたいと願うので、ジャストサイズが欲しいという声もいただいています。今ではセミオーダーのようなかたちで、その子にぴったり合わせたものも作っています。

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180度に曲げられるほど柔らかい素材を使用。一日中装着していてもストレスを与えないように考案した「フェザーカラー」。軟らかい布、硬い布、軟らかい透明タイプなど4タイプ開発した。

— ネコがどう感じているかを、生活しながらじっくり観察することで判断していく。それが商品開発に欠かせないネコ視点なのですね。

太野 この「フェザーカラー」はネコ視点のモノづくりの原点となった商品です。試作の時は、いつも自分がネコだったらどう感じるだろうかと思いながらやっているんです。ネコにとって、かわいい肉球マークはいらない、強い匂いもいらない、首輪で鈴がチャラチャラ鳴っていたら落ち着かないかな……と考えていきます。

— かつては飼いネコの首輪にはよく鈴がついていました。

太野 飼い主にとってはどこにネコがいるかわかるので便利でしたが、自分がネコだったら一人になりたいような時に、チャラチャラ鈴が鳴るのは嫌だろうなと考えます。

ネコがデザイナー

太野 そうやってネコ視点で見ていくと、次々、気になることが出てくるのです。エリザベスカラーを着けると、ネコはご飯が食べにくくなってこぼしてしまいます。じゃあ、そのエリザベスカラーを着けていても食べやすい器があれば、当然、健康な子にとっても食べやすくなるだろうと考え、高さがあり食べやすい角度のついた器を開発しました。

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介護用の食器として開発した「まんまボウル」(2015年度グッドデザイン賞)。斜めの形状と縁の返しでエサが自然と中心部に集まり、こぼさず食べやすい。食器の下にあるのは「まんま台セパレート」(2019年度グッドデザイン賞)。ネコは食べて吐き戻すことがあるが、台で嵩上げして食事の姿勢をサポートすることで、お腹の圧迫でご飯が逆流するのを予防する。

— フェザーカラーは口コミを中心に6万枚を超すヒットとなりました。こうした商品開発は、太野さんがプロダクトデザイナーとしてお一人で行っているのですか?

太野 はい。と言っても、実際にはここではネコがデザイナーで、私はそれを人間に伝える役目を担っているだけのこと。毎年1〜2点は新しい開発を始めるので、いつも併行して何かしら開発している格好になります。長期に及ぶものも少なくなく、病気のネコに皮下点滴するのをサポートする保定服「ねこずきのおくるみ」(2024年度グッドデザイン賞)は、6年がかりとなりました。

ネコの高齢化問題に対応していく

太野 この数十年で室内飼育が普及して医療も進歩したことなどによって、日本のネコは長寿になってきています。1990年のネコの平均寿命は5.1歳でしたが、2022年には15.66歳まで伸びています(一般社団法人ペットフード協会調べ)。15.66歳は人間の年齢に換算すると80歳となります。高齢化が進んでいるんです。

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6代目ネコ社員、茶トラの「ひいらぎ」。ペットショップで放置されていたのを救済。食いしん坊でイヌのような性格だという。

— 高齢化すると心配なのが病気です。ネコの祖先は砂漠で生まれ、少ない水で生活できるようになっている反面、毒素の濃い尿をつくることになるため、腎臓に負担をかけてしまうと聞いたことがあります。

太野 ネコは7歳時で2頭に1頭が腎不全のリスクを抱えています。人間のように塩分を取り過ぎて腎臓病になるのではなく、食事に気をつけていても高齢に伴い腎臓の数値は悪くなっていく。そのため、定期的な皮下点滴が必要なケースも少なくなく、通院の負担を減らすために、自宅で皮下点滴している飼い主さんもたくさんいます。

でもネコは動き回ります。一人暮らしの飼い主さんが、ネコを何分も抑えながら点滴するのは困難です。そこで一人でも楽に作業できるように、じっと動かないように抑える(保定)補助具を作ったのです。

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ネコの体にフィットして保定させるおくるみ。「職人にイメージを伝えられるよう、素材を変えながら自分で縫ったりしました」と太野さん。難度が高く、形はもとよりファスナーの位置や留め方など、改善を重ねた。

— 完成まで6年かかるほど、一筋縄ではいかない開発でした。

太野 まずネコには無理はさせられません。本当は着用したまま何時間もチェックしたいけれど、飽きているようだから今日はもう諦めて別の日にやろう、みたいな日々でした。

そもそも皮下点滴がネコにとって嫌なことなのに、さらに保定されるおくるみを着させるわけです。ネコの顔がやっぱり嫌がっている、これは方向性が間違っているのではないか、と試行錯誤を繰り返しました。

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最終的に、軽量で丈夫な撥水生地を使用した。点滴中も息苦しさがないよう、ストレッチを入れている。

太野 あるとき、製造の職人さんへの指示を間違えて伝えてしまい、前足が出るタイプの試作品が届けられたのです。それを試しに使ってみたら、ネコがすごく落ち着いていました。それまでは袋状のもので首から下を包むようにしていましたが、どうやら前足が床についていると落ち着く習性があるのではないか、と気づいた。多分、敵に襲われたときに逃げ出せなくなるような状況になるのを嫌がっていたようなのです。

— それは大きな発見ですね。猫は犬や牛と異なり完全には家畜化されず、ヤマネコのDNAを残しています。商品を開発する際もその野生の本能や習性にまで目を向ける必要があるかもしれません。

太野 これは新たな知見として、今年の獣医学会でも紹介していただいたんです。このことに気づいてから開発は急速に進み、完成することができました。

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前足を服に通して出させてから、首や腹を抑えて包む。一人でも着せられる保定服となっている。

ファブレスで職人を動かすには

— 自社で工場をもたないファブレスで、小ロットのモノづくりです。しかも何度も試作するとなると、製造してくれる協力会社との連携が大切になってきます。どのようにやりとりしているのでしょうか。

太野 何十回も作り直しを繰り返すのは、小ロットだからできることだと思います。今では取引工場も増えましたが、最初にエリザベスカラーを開発したときは、まだ私は20代と若く、実績もないので、趣味でやっているかのように思われてしまい、ろくに話も聞いてもらえませんでした。30件の工場に問い合わせて、1社だけ話を聞いてくれたんです。

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太野 試作品をネコにテストしてもらっているとき、欠かさず動画を撮るんです。それを何回も見ながら、ここがしんどそうだな、これが負担になっているな、といった意見を出しながら修正していきます。それを私からの意見として直接相手に伝えることを繰り返すと、現場の職人さんたちも辟易してしまいますよね。そこで、その動画を実際に見てもらい、「ネコがこう言っています」と伝えているんです。百分は一見にしかずで、「うん、なるほど」と、応じてくれています。

— ネコ目線をそうやって製造工場と共有しているのですね。

太野 とはいえ、無理を承知で頼んでいるので、電話がかかってくるたびに「もうやらない」と言われるのではないかと、ドキドキしています(笑)。

— 商品はエリザベスカラーから器、猫砂、おくるみ、爪切り、キャットフードと幅広く展開しています。製造工場はどうやって探していますか?

太野 この仕事を始めた時にお客さまに直接お電話したように、製造工場に関しても、腕のいい職人さんがいるところなどを見つけては、直接電話して、こういう商品はできないかと尋ねているんです。

— 飛び込み営業のようなことですね。断られるのではないかと、抵抗感はありませんでしたか?

太野 前職で営業のような仕事をしていた経験からか、当たって砕けろという精神なので、断られても当たり前と思っているんです。何社も断られても、日本全国全ての工場に断られたわけではないから大丈夫、みたいな気持ちで挑んでいます。

— その熱意と粘り強さなくして、ネコ目線の実現はなかったことでしょう。これまで7回グッドデザイン賞を受賞されています。後編ではその受賞についてと今後の展望について語っていただきます。

グッドデザイン探訪では、あるテーマを切り口にインタビューや仕事紹介の記事をお届けしています。今回のテーマは「未来福祉」。福祉は「しあわせ」や「豊かさ」を意味します。未来の社会をよりよくしたい。そのために、どのような壁を乗り越えていったのか。 先を見据えた未来へのデザインは、どこから始まったのかを語っていただきます。


まんまボウル

株式会社クロス・クローバー・ジャパン

闘病中など体の不自由な猫のための介護用食器。手前を低くし斜めの形状にすることで顔が入れやすく、最小限の負担で食事することができる。返しを付けたことでフードをこぼしにくい。少し傾けながら両手で食器を支える飼い主の優しい手がデザインコンセプト。猫の行為を観察し、問題を解決していった素直で誠実なデザインと評価された。


受賞詳細
2015年度グッドデザイン賞 https://www.g-mark.org/gallery/winners/9dc1c0d7-803d-11ed-af7e-0242ac130002

プロデューサー
株式会社クロス・クローバー・ジャパン 太野由佳子

ディレクター
株式会社クロス・クローバー・ジャパン 太野由佳子

デザイナー
株式会社クロス・クローバー・ジャパン 太野由佳子/nekozuki ちゃっくん、ぽんちゃん+陶來 大沢和義


まんま台セパレート

株式会社クロス・クローバー・ジャパン

高齢のペットは、首を下げる姿勢で食事をすると吐き戻ししやすくなる。これを解決するための食器用の台で、市場にデザイン性の高い製品が少ない中で、地元産の木材を用いるなどした本物感のあるデザインが評価された。重ねて用いればスタンドの高さも簡単に変えることができる。防水加工で拭くだけできれいになる。釘は使わず、角もない。ぶつかって怪我をしないよう配慮し、耐久性も高めた。


受賞詳細
2019年度グッドデザイン賞 https://www.g-mark.org/gallery/winners/9e0601be-803d-11ed-af7e-0242ac130002

プロデューサー
nekozukiちゃっくん、ぽんちゃん/株式会社クロス・クローバー・ジャパン 太野由佳子

ディレクター
nekozukiちゃっくん、ぽんちゃん/株式会社クロス・クローバー・ジャパン 太野由佳子

デザイナー
nekozukiちゃっくん、ぽんちゃん/株式会社クロス・クローバー・ジャパン 太野由佳子


ねこずきのおくるみ

株式会社クロス・クローバー・ジャパン

ネコの高齢化で増加している腎臓病など病を抱えるネコの自宅点滴をサポートする保定服。一人で保定できること、ネコのストレスを軽減することを主眼に、飼い主とネコ双方の負担を軽減する手法を徹底的に考慮している。素材は洗いやすく、手入れも簡単。それぞれのニーズに寄り添ったバランスの取れたデザインとなっている。


受賞詳細
2024年度グッドデザイン賞 https://www.g-mark.org/gallery/winners/21650

プロデューサー
株式会社クロス・クローバー・ジャパン 太野由佳子

ディレクター
株式会社クロス・クローバー・ジャパン 太野由佳子

デザイナー
nekozukiちゃっくん、あんこちゃん/株式会社クロス・クローバー・ジャパン 太野由佳子


石黒知子

エディター、ライター

『AXIS』編集部を経て、フリーランスとして活動。デザイン、生活文化を中心に執筆、編集、企画を行う。主な書籍編集にLIXIL BOOKLETシリーズ(LIXIL出版)、雑誌編集に『おいしさの科学』(NTS出版)などがある。


阿部和史

写真家

自然環境科学の専門学校を卒業後、代官山の広告スタジオに勤務。帰郷し印刷会社のカメラマンを経て2006年独立。料理、建築、ランドスケープ、人物などを中心に、広告全般ほか多様なジャンルで活動している。

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