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2024年度 グッドデザイン・ニューホープ賞 最優秀賞決定!

2024.12.13

606件の応募が寄せられた今年度のグッドデザイン・ニューホープ賞。事前審査と一次審査を経て94件が入選、そのなかから8件が優秀賞に選ばれました。そして、12月7日に開催された最終プレゼンテーションで、最優秀賞が決定!今年度の最優秀賞は、看護学生らによるあそびのスターターキット「アドベンチャーBOX」。その熱意あふれるプレゼンテーションや、年々ひろがりを見せるニューホープ賞の活動についてご紹介します。


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審査委員長と、優秀賞受賞者たち。

3回目を迎えたニューホープ賞

グッドデザイン・ニューホープ賞は、次世代のデザイン分野を担う若い才能を支援することを目的に、2022年から始まりました。美術系に限らずすべての大学・専門学校の在学生、新卒社会人を対象とし、すぐれたデザイン作品を評価しています。また「受賞」そのものをゴールとせず、受賞者が成長し、社会での活躍を支えるプラットフォームをめざしています。

応募カテゴリーは「物のデザイン」「場のデザイン」「情報のデザイン」「仕組みのデザイン」の4つで、幅広いデザインが対象。審査にはプロダクトデザイナーや建築家、またTVプロデューサーに学校経営者など、多様な分野の専門家が参加しています。

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2024年度の審査委員

熱量の高い最終プレゼンテーション

12月7日、優秀賞に選ばれた8件の受賞者による最終プレゼンテーションが行われました。今年度の作品の特徴は、初めから「モノ」と「コト」を一体的に捉え、包括的なデザインが前提となっていた点です。

また、どのプレゼンターもエネルギーに溢れ、詩を朗読するような語りや絵本の読み聞かせのような温かみのあるスタイルなどプレゼン自体も「デザイン」されていました。

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5分間のプレゼンのあとには、5分間の質疑応答。課題に気づいたきっかけや、今後の展開などについてやりとりが行われました。

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最後は、審査委員のみで最終審査会。今年度は、すでに社会に実装されている作品も多く見られました。しかし、ニューホープ賞では「実装していること」が受賞の条件ではありません。新しい世代しか気づけない視点や、新たな可能性を感じさせる提案があるかなど、ディスカッションを重ね、審査委員が1人1票ずつ投票。作品、プレゼンのレベルの高さから「1票しか投じられないのが難しい…」と全員が悩みながらも最優秀賞が決定しました。

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最優秀賞に輝いた「アドベンチャーBOX」

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今年度の最優秀賞に選ばれたのは、あそびのスターターキット『アドベンチャーBOX』です。この作品は、入院中の小学生に「冒険」というテーマを通じて創造的な遊びを提供するキットで、療養生活をより前向きなものに変えることをめざしています。

すでに5か所の病院で導入されており、今後も展開予定です。また看護学部の学生を中心に4名から始まり、今は小児科医や看護師、子どもたちも巻き込んだチームになっています。

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プレゼンターである猪村さんは看護学部の所属。看護学生として子どもたちとの対話のなかからニーズを拾い、同大学の同期であるデザイナーへと伝える。デザインされたものを現場に持ち帰りフィードバックを得るというチームアップで制作は進められた。

このプロジェクトの着眼点のひとつは、「病院と学校のはざまにいる子どもたち」の課題。例えば病院は退院したけれど、まだ学校には行けない過程で誰にもケアされることなく孤独を感じてしまう子どもたちも多い。その期間に活用できるオンラインの学校やフリースクールなども存在しますが、子どもたち自身のモチベーションがなければ、制度を活用し切れていない現実があるそうです。

その解決の最初の一歩として開発されたのが今回の「アドベンチャーBOX」。単なる玩具の提供にとどまらず、制度や仕組みを活用して、自分らしく生きようと子どもたち自身が思えるように好奇心や想像力を育むためのデザインがつくられました。審査委員からは、デザインプロセス自体が次世代のデザイナーのモデルとなると評価されました。

新しいつながり、新しいエネルギーがうまれる祝賀会

受賞発表後の祝賀会には、受賞者と審査委員だけでなく、学校、企業、メディア関係者などが集まりました。受賞者たちは、審査委員に今後の改善点を熱心に尋ねたり、企業やメディア関係者と意見交換を行ったりと活発に交流していました。

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さまざま人に自分の作品を手にとって見てもらえる機会。また祝賀会には、優秀賞受賞者だけでなく入選した受賞者も参加。

また2022年度からの先輩受賞者たちも参加し、横のつながりだけでなく縦のつながりも広がりました。ニューホープ賞で出会った学生同士で新しいプロジェクトを始めることも多いそうです。

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記念の写真撮影や、先輩受賞者たちとの出会いを楽しんだ。

祝賀会に参加されたキヤノン株式会社 総合デザインセンター所長の石川慶文氏は、「いずれも素晴らしいプレゼンテーションでした。若いデザイナーがさらに活躍できる社会にしていくことが我々の役割だと感じました」と語り、審査委員長の齋藤精一氏も「デザインが社会を追う時代から牽引する時代へと変化するなかで、若い世代の挑戦が新たな時代を切り開いている」とコメントしました。

新しい才能を伸ばすプラットフォームとして

ニューホープ賞は、才能発掘の場にとどまらず、デザインの可能性を提示するプラットフォームとして、ますますその重要性を増しています。今後のニューホープ賞の活動としても、受賞後のプロモーションや受賞者向けプログラムを開催。今年度のプログラムは、デザインの現場としてデジタル庁の見学会なども予定されています。

今後の活躍が楽しみな今年度の受賞作品は以下の公式サイトに掲載しています。ぜひご覧ください!

すべての受賞結果はこちら: https://newhope.g-mark.org/award2024.html

大橋真紀

編集・執筆

ウェブメディア「.g Good Design Journal」の編集チームのメンバー。外部メンバーとして、コンテンツの企画や編集、執筆を行う。

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