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「よいデザイン」がつくられた 現場へ

よいデザイン、優れたデザイン、 未来を拓くデザイン 人々のこころを動かしたアイデアも、 社会を導いたアクションも、 その始まりはいつも小さい

よいデザインが生まれた現場から、 次のデザインへのヒントを探るインタビュー

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今回のお訪ね先

株式会社マーナ

暮らしを変える傘のイノベーション (後編)

2025.10.8

暮らしの「ちょっと不便」を見逃さず、独自の発想で解決する――。そんな姿勢から数々のヒット商品を生み出してきた株式会社マーナ。2023年度グッドデザイン・ベスト100に選出された「Shupatto(シュパット)アンブレラ」は、傘の構造そのものに革新をもたらした画期的なプロダクトです。前編では「手を濡らさずにたたむ」という発想から生まれたこの傘の開発秘話を伺いました。後編では、商品開発の背景にある「マーナのデザイン思想」を解き明かします。

前編はこちら


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東京・墨田区に拠点を構えるマーナ本社。暮らしをより良くする道具を150年以上にわたり生み出してきた。

不便や不満を見過ごさない

— マーナでは「Shupatto(シュパット)アンブレラ」という長傘から、キッチン、バス・浴室用品、掃除用品、ショッピングバッグ、その他雑貨など、生活全般にわたる「暮らしの雑貨」を開発しています。生活周りのキッチンツールなどでも、これまでにないものを作る目線は、どのように見つけているのでしょうか。

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マーナ 開発部デザイングループ マネージャーの谷口諒太さん。暮らしの観察から新しい発想を導き出す。

谷口諒太(マーナ 開発部デザイングループ マネージャー) おそらくすべてに共通しているのは、人の暮らしを観察できているかどうかだと思います。「Shupattoアンブレラ」は、雨の日に濡れた傘の始末に手間取る人々の様子から生まれた商品です。何か不便なことがあっても、仕方がない、それが当たり前だと、気に留めずに見過ごしてしまうのか、観察して何か原因があると感じとれるか、その違いなのではないでしょうか。

— 確かに、人はモノに合わせようと努力したり、我慢したりします。あるいは使いこなせない自分に課題があると考えがちです。モノの側の課題と意識することは少ないかもしれません。

谷口 どの商品もそうですが、ユーザー自身では認識できない課題というのはあるものです。けれども、人々の様子をじっくり観察し丁寧に見ていくと、その課題が発見できたりします。例えば定点観測して料理中のシーンを撮っていると、ここに不具合がある、というのが見えてくることがあるんです。俯瞰してみると何か不自然なアクションがあったり、スムーズでなかったりするところに気づく。そういうのが大事だと思います。

— 人の暮らしを日々、観察しているのですね。

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大手メーカーなどでデザイナーとしての経験を積み、マーナへ。デザイン転換期とともに歩み、これまでに約50のプロダクトを手掛けている。

谷口 まず、基本的な考え方として、今、日常にあるものが「もっと良くならないか」と探る視点が基軸にあります。先代の名児耶美樹が社長の時代から、「もっと良くならないのか」と毎日のように言われていたので、そういうマインドは根付いていると思います。

— 生活のあらゆる面で「もっと良く」していきたい、ということですか?

谷口 そのためには、人だけでなく、今ある世の中のモノも観察することが欠かせません。モノと人の間で何が課題で、どうやったら良くなるのかを、丁寧に分析します。それから仮説を立てて、トライアンドエラーを繰り返すのが、私たちの商品開発なのです。

— 例えばマーナの「バターケース」には専用のカッターが付属していて、バターを使う度に必要なだけ薄くカットすることができます。ありそうでなかった視点ですが、これも観察から生まれたのでしょうか。

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マーナらしい佇まいを備えた「バターケース」。機能性と暮らしになじむ美しさを両立している。

谷口 市販の150gや200gのバターを購入すると、みなさん都度都度、包丁で切ったり、あるいはホテルで出されるバターの大きさにしてくれる、ステンレス製のカッターを用いて一挙にカットしたりしますよね。カッターは便利そうですが、実は厚みがあるバターになるので、トーストに塗ってもなかなか溶けないんです。もっと薄く切るにはどうすればいいか考えたのが、この商品開発の始まりでした。

毎回、道具を持ち出して切ったり、銀紙に包んだ状態で保存したりするのも煩わしいものです。もっと手軽にバターを楽しめるように、薄くバターをカットできる専用のカッターを本体ふた裏に固定しました。そのふたにはパッキンを付けてあり、匂い移りを防ぐととともに、鮮度を保てる高い密閉性をもたせています。

また、バターは、調理中に使用することもあれば、食卓で用いることもあるので、食卓にあってもノイズにならないようなデザインを目指しました。

マーナのデザインが変わった

— 「Shupattoアンブレラ」と同様に、「バターケース」は主張しすぎることのないデザインになっています。機能性と美しいフォルムの両立を目指しているのを感じます。

谷口 もちろん本来の機能があってこそだと思いますが、その中で美しさとの両立を達成するにはどのようにしたらいいか、検討していきます。暮らしになじむように外観を整えていきつつ、品質も守っていくのがマーナの特徴だと考えます。

プロダクトデザイナーが商品を開発していく中で、私はデザインチームの責任者として途中で見せてもらい、デザインが「マーナらしくない」と感じた場合は、修正していくときもあります。

— ある時期から、マーナらしいデザインが確立されてきたように感じますが、何かきっかけがあったのでしょうか?

谷口 多分それは10年前に、現社長の名児耶剛が開発部の責任者になったタイミングではないかと思います。それまでのヒット商品は、「おさかなスポンジ」を筆頭に、便利でかわいいデザインを特徴としていました。マーナは1872年に創業し今年で153年目を迎えましたが、この先200年までも続いていくには、これまでのスタイルを続けていてはいけないのではないか、というのが名児耶の意見でした。

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「Shupattoアンブレラ」では発明とも言える新しい長傘を考案したが、「ユーザーにどう届くか。新しいこと自体に価値はないと思う」と谷口さんは語る。

谷口 名児耶は何十年も愛される定番を作っていきたいと口にし、「定番とは何か」という話が密に交わされるようになりました。その時に生まれたのが「きれいに暮らす。」という、現在では掃除用具や収納用品をシリーズ展開している商品の始まりでした。この頃より、暮らしになじみつつ、機能性も優れているという、両面を叶えた道具を生むことをより重視するようになっていきました。

— そのマーナらしさとは?

谷口 名児耶ともそこを一番議論しましたね。言葉ではなかなか表現しづらいのですが、マーナといえば便利なだけではなくて、「人に優しい」というDNAがあるんです。創業者の名児耶寅松は洋服ブラシを開発した人ですが、彼の言葉で「洋服ブラシ自体は汚れても、服をきれいにする」というのがあります。つまり、自分たちが汚れても、相手をきれいにしたいという意味で、他人への思いやりを持つことが今なお根付いています。

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マーナの原点となる洋服ブラシ。創業者の言葉が今も企業理念として受け継がれている。

谷口 私も入社して、そのマインドは素晴らしいと思いましたし、実際にエンドユーザーの方々はもとより、社員同士、優しさを感じる機会が多く、それをデザイン哲学としても捉えています。

— 確かにマーナの製品は角張っておらず手に優しく、色も柔らかいニュアンスがあります。優しさを感じさせるデザインです。

谷口 柔らかく優しい印象があるシェイプにまとめ、定番となりうるものを目指しながら、機能的なプロダクトを作っていくということです。その当時はまだ言語化できていませんでしたが、第一弾として生まれた浴室清掃シリーズ「きれいに暮らす。」は、新たなマーナの起点になったと感じています。

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「30年愛される定番商品をつくろう」という想いから2017年に誕生した浴室清掃シリーズ「きれいに暮らす。」は、2018年度にグッドデザイン賞を受賞した。

日常に笑顔をもたらしたい

— 例えば無印良品は自社で設備は持たずにOEM生産することで、幅広い商品展開を実現しています。マーナは自分たちで開発・製造するのが基本にあり、だからこそ使い勝手に焦点を当てることができるのではないでしょうか。

谷口 確かに、開発では機能と外観だけではなく、使い心地にもかなりのウエイトを置いています。例えば「調味料ポット」は、てこの原理を用いてふたがワンプッシュで開くようにしていますが、パカッと開くのではなく、あえてゆっくり開くように、後ろにブレーキをつけているんです。開ける時の心地良さや音、感触までも大事にしているところが、マーナらしさかもしれないですね。

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押すとフタが向こう側に開き調味料がすくいやすい 「調味料ポット」。視認性と使いやすさを両立している。

— 湿度変化で塩や砂糖が固まらないよう、密閉性の高いパッキンを使用しています。でも、てこの原理を用いているから、強い力を加えなくても楽に開けられます。それだけでなく、開け心地までデザインされていたのですね。

谷口 それまでは個々の製品ごとにこうした工夫を重ねていたのですが、次第に共通する考え方が見えてきて、定番として追求していくための軸が確立されていきました。言い換えれば、最近になって“デザインフィロソフィー”がまとまってきたんです。

私たちはそれを6つの柱として言葉にしています。製品づくりのときに必ず立ち返る指針です。私たちがプロダクトを作る上で大事にしていることは何だろうと、一度テーブルの上に全部出して要素をまとめていくという流れで、コミュニケーションデザインを担うチームが主体となってまとめました。

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本社ショールーム。「Shupattoアンブレラ」をはじめ製品や理念を展示し、打ち合わせや共有の場として活用されている。

マーナのデザインフィロソフィー: ①思いどおりに使えること ②手になじむこと ③清潔に保ちやすいこと ④シンプルであること ⑤佇まいがきれいなこと ⑥新しい視点がプラスされていること

谷口 便利さや使いやすさだけでなく、触ったときの気持ちよさや、置いてあるときの佇まいまで大切にしています。そして、そこにちょっとした新しい視点を加えることで、日常に小さな驚きや笑顔をもたらしたい。それが私たちのデザインの根っこにある考え方です。

このデザインフィロソフィーを形にするうえで大切なのは、社内でのユーザー調査です。私たちは単に市場調査をするだけでなく、社員自身が日々の暮らしで感じた違和感を持ち寄ったり、試作品を使って体験をシェアしたりします。開発チームだけでなく営業やバックオフィスも参加し、多様な視点から「ここはもっと良くなる」という意見が集まるんです。こうした積み重ねがマーナならではの製品を育てていきます。

デザインへの姿勢を示す場

— 社内全体で暮らしを共有する姿勢が、デザインフィロソフィーを裏付けているのですね。

谷口 はい。そして、その成果を社会に示す場の一つがグッドデザイン賞です。応募そのものが目的なのではなく、暮らしに役立つ道具を丁寧に作り続けてきた証として評価していただけることに意味があると思っています。

— マーナは長年、グッドデザイン賞に応募を続けていますね。

谷口 私たちにとってグッドデザイン賞は、デザインに真剣に取り組んでいることを客観的に示す場なんです。社内で日々積み重ねてきた観察や試行錯誤を、外部の視点で評価していただけるのは大きな意味がありますし、開発メンバーの励みにもなります。

ユーザーの方にも「きちんと評価された商品なんだ」と感じていただけます。ただ、賞を取ること自体が目的ではありません。あくまで“暮らしをもっと良くできたかどうか”が基準であり、その成果を第三者に認めていただける場がグッドデザイン賞なのです。

— 2023年度には「Shupattoアンブレラ」がベスト100に選ばれました。

谷口 従来の傘の構造を根本から見直し、“手を濡らさずにたためる”という体験を提案できたことを評価いただけたのは大変うれしかったですね。社内では当然と思っていた工夫が、審査委員の方から「これまでにない新しい視点だ」と認められたことは、開発チームにとっても誇らしいことでした。

— 外部からの評価は社内のモチベーションにもつながりますね。

谷口 グッドデザイン賞の意義はそこにもあると思います。ユーザーの声だけでなく、デザインの専門家や審査委員の目で見ていただき、客観的に価値があると認めてもらえる。それが私たちにとって次のチャレンジへの後押しになっています。

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2024年度グッドデザイン賞を受賞した「きほんのキッチンツール」。日常使いに欠かせない道具を、シンプルで使いやすい形にまとめたシリーズ。

— これまで手掛けたことのない長傘で成果を出したことから、今後、マーナの開発領域はより広がっていくように感じます。これからの展望をどうお考えでしょうか。

谷口 暮らしはこれからも大きく変わっていくと思います。共働きや単身世帯の増加、高齢化、環境配慮など、生活者の背景はどんどん多様になっています。私たちはその一つひとつの暮らし方に寄り添い、“小さな不便”を丁寧に解決していくことを続けていきたいです。

同時に、サステナビリティへの意識も欠かせません。すぐに消費される道具ではなく、長く愛用できる「定番」を増やすことが、環境負荷の低減にもつながると考えています。素材や製造方法の工夫も含め、持続可能な商品開発に挑戦していきたいですね。

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「Shupattoアンブレラ」はマーナにとって初めてのベスト100。「デザイナーとしては快挙と感じます。県大会からオリンピックに出場したような気持ちになりました」。

谷口 また、日本で培ってきた「暮らしの雑貨」という発想を、海外にも広く届けていきたいです。日々の暮らしを少し楽にするアイデアは、国や文化を越えて共感していただけるはずです。

これからのマーナは、150年の歴史を土台にしながらも、常に新しい視点を取り入れて進化していきます。“Design for Smile 暮らしを、いいほうへ。”という理念を軸に、100年後の暮らしにも必要とされる定番を生み出していきたいと思っています。

— ありがとうございました。マーナのデザインはDNAとして受け継がれてきた優しさであり、それは人に対して、社会に対しての優しさなのだと改めて気付きました。これからどんな商品が生まれるのか、楽しみにしています。

グッドデザイン探訪では、あるテーマを切り口にインタビューや仕事紹介の記事をお届けしていきます。今回のテーマは「中小企業パラドックス」。市場競争ではなにかと不利とされがちな中小企業*ですが、自由に発想できたり、意志決定が早くなったりなど、メリットもあるはずです。パラドックスとして、中小企業だからこそ生まれたグッドデザインを掘り下げます。 *資本金3億円以下、従業員総数300人以下の企業


浴室清掃シリーズ「きれいに暮らす。」

株式会社マーナ

浴室清掃シリーズ「きれいに暮らす。」は、掃除道具を使いやすく、美しい佇まいにまとめた点が高く評価された。シンプルで統一感ある造形が生活空間に自然に溶け込み、出しっぱなしでも清潔感を保てる。機能性とデザイン性を兼ね備えたシリーズである。


受賞詳細
2018グッドデザイン賞 https://www.g-mark.org/gallery/winners/9dedcbf0-803d-11ed-af7e-0242ac130002

プロデューサー
株式会社マーナ 開発部

ディレクター
株式会社マーナ 開発部

デザイナー
株式会社マーナ 開発部


「グッドロックコンテナ 調味料ポット」

株式会社マーナ

「調味料ポット」は、ふたが手前ではなく奥に開く構造により、中身を見やすく、そのままスプーンを取り出せる使いやすさを実現。調理中の動作を減らす工夫と、無駄のないシンプルな造形によって、機能性と生活空間に調和するデザイン性が高く評価された。


受賞詳細
2020グッドデザイン賞 https://www.g-mark.org/gallery/winners/9e258bc1-803d-11ed-af7e-0242ac130002

プロデューサー
株式会社マーナ 開発部

ディレクター
株式会社マーナ 開発部

デザイナー
株式会社マーナ 開発部


「バターケース」

株式会社マーナ

「バターケース」は、カットガイド付きのバターカッターを一体化し、保存から使用までを一貫して行える利便性が特徴。適量を手軽に切り分けられる工夫と、清潔感あるシンプルな造形が食卓や冷蔵庫にすっきり収まる点が高く評価された。


受賞詳細
2023グッドデザイン賞 https://www.g-mark.org/gallery/winners/15273

プロデューサー
株式会社マーナ 開発部

ディレクター
株式会社マーナ 開発部

デザイナー
株式会社マーナ 開発部


「きほんのキッチンツール」

株式会社マーナ

「きほんのキッチンツール」は、料理に欠かせない道具を扱いやすい形状と質感で再構築したシリーズ。余計な装飾を省き、握りやすさや動かしやすさといった基本性能を高めつつ、生活空間になじむ端正なデザインに仕上げている。日常に寄り添う実用性と造形美が評価された。


受賞詳細
2024グッドデザイン賞 https://www.g-mark.org/gallery/winners/20688

プロデューサー
株式会社マーナ 開発部

ディレクター
株式会社マーナ 開発部

デザイナー
株式会社マーナ 開発部


石黒知子

エディター、ライター

『AXIS』編集部を経て、フリーランスとして活動。デザイン、生活文化を中心に執筆、編集、企画を行う。主な書籍編集にLIXIL BOOKLETシリーズ(LIXIL出版)、雑誌編集に『おいしさの科学』(NTS出版)などがある。


川村恵理

写真家

美術系専門学校を卒業後、スタジオ勤務や写真家助手を経て2017年に写真家として独立。以後、コミッションワークを主軸としつつ、作品制作にも重きを置いた活動を展開している。

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